みどころ
過去の対戦成績
2000年 対戦なし
2001年 Final6・準決勝 リクルートシーガルズ ●(0)7-7(3)○
※()内はタイブレイクの結果
松下電工インパルス
2002年 対戦なし
2003年 対戦なし
2004年 Final6・準決勝 オービックシーガルズ ●  7-10 ○ 松下電工インパルス
2005年 JAPAN X BOWL オービックシーガルズ ○ 25-16 ● 松下電工インパルス
2006年 対戦なし
2007年 Final6・準決勝 オービックシーガルズ ●(3)23-23(6)○
※()内はタイブレイクの結果
松下電工インパルス
2008年 Final6・1回戦 オービックシーガルズ ● 14-20 ○ パナソニック電工インパルス
2009年 2ndステージ オービックシーガルズ ● 20-23 ○ パナソニック電工インパルス

過去10年の対戦成績は、オービックが1勝5敗、パナソニック電工が5勝1敗。
(共に前身のリクルートシーガルズ、松下電工インパルス時含)この両チームの対戦はいずれの試合も接戦となっている。
過去6試合のうち、1TD以内が5試合、うち4試合は3点差とFG1本差の僅差となっており、このうち2試合は4Qで決着が付かず、タイブレイクにもつれ込んでいる。
勝敗ではパナソニック電工に大きく軍配があがるが、この両チームの対戦は、Xリーグの歴史の中でも最も拮抗した対戦のひとつであると言えよう。

今シーズンの両チームは、特徴が似ている。
どちらも日本代表のQB、RB、WRを擁しており、スキルポジションのレベルは高い。
また大型のOLがズラリと並び、ランブロック、パスプロテクション共に強力。
展開するオフェンスこそ異なるものの、どちらのオフェンスも攻撃力は満点だ。

対するディフェンスは、DL、LBのフロント7が様々ポジションを変え、相手を困惑させ、アグレッシブなディフェンスを展開するオービック。
強固なラインを擁し、手堅いディフェンスを展開する傍ら、勝負どころでは一気に攻撃的なパワーディフェンスを仕掛けるパナソニック電工。
激しいタックルの応酬となることは間違いないだろう。

キッキングにおいても、両チームともに安定したスペシャリストを擁しており、キッキングゲームからも目が離せない。接戦を繰り広げてきた両チームだけに、
キッキングゲームは重要な戦略であり、フィールドポジションの争いだけでなく、試合をも左右する。
今大会でも、劇的なFGで勝利ということも十分あり得るだろう。

5年ぶりに日本一を懸けた最終決戦で顔を合わせた両チーム。手に汗握る緊張感の高い好ゲームが期待される。

~ユニット別のみどころ~

*オービックオフェンス

主戦QBは菅原(法政大)。オンワード・相模原ライズを経て、今年度からの移籍だが、もはや完全にチームの司令塔となっている。
長短のパスは安定しており、時折見せる自らのランも鋭い。木下(立命館大)・龍村(神奈川大)も控えており、QBの層の厚さは、社会人チーム中ナンバーワン。RBはスピードの杉原(日体大)にベテラン古谷(関西大)が健在。WR陣では、萩山(東北大)・清水(専修大)・阿南(立命館大)に新人・森(法政大)が加わり、フィールドを縦横に駆ける。OLは工藤(一橋大)・宮本(中央大)ら器用な選手が多い。186cm135kgのフランク・フェルナンデス(ハーバード大)のブロックも強力。攻撃のバリエーションに幅を持たせている。試合中、必ずどこかで登場するスペシャルプレーの精度も高い。全てのプレーでタッチダウンを奪える、そんな可能性を秘めているオフェンスから目が離せない。

*パナソニック電工オフェンス

QB高田(立命館大)は日本代表チーム、オールXのQBとして名実ともに日本の顔になっている。
対戦相手QB菅原をしのぐパスの安定感で798ヤードと、自らのランで131ヤードと投げても走っても文字通り日本一のQBである事は間違いない。RBはこれも日本代表、オールXの石野(関西大)の存在が光る。他に小林(専修大)、武田(上智大)にベテラン粳田(専修大)に期待。WR陣では、長谷川、本多(ともに立命館大)のイメージが強いが今季は栗原(法政大)、塚崎(関学大)、吉田(日本大)のキャッチも光っておりWRの層は厚い。パナソニック電工のオフェンスは横綱相撲を見るように正統派の正面真っ向勝負のイメージが強い。個々の基本的なテクニックが優れている。全国の大学生、高校生に是非真似をしてもらいたいオフェンスである。

*オービックディフェンス

伝統的に、積極果敢で激しいディフェンスが持ち味だが、今年もそのカラーは変わらない。
DLでは、ケビン・ジャクソン、カール・ノアと2名のハワイ大出身選手を配置し、紀平(立命館大)や中田(関西大)ら機動力のある選手も多く揃っている。LBの古庄・塚田(立命館大)、早坂(早稲田大)らと合わせて、前方の2列でさまざまなポジションをとるので、対戦相手のオフェンスからは、非常にやっかいな存在になっている。DBは、三宅・藤本・町・滝澤(立命館大)、矢野川(神戸大)ら、個人能力の高いメンバーを中心に、大ベテラン渡辺(専修大)も健在。インターセプトなど、相手オフェンスからボールを奪うビッグプレーも期待大だ。ディフェンス全体的に、近年、層の薄さを懸念する声もあったが、若手有望選手の入部や成長もあり心配無用。総合力も上昇中だ。

*パナソニック電工ディフェンス

安定感のあるディフェンスの印象が強いが、今季は吹田戦ではリードされる局面もあり、アサヒ飲料戦やIBM戦で後半に追いつかれるシーンが見られた。従来のパナソニック電工ディフェンスで見られなかった光景だった。
吹田戦以降の5試合で後半だけで累計70点以上失点しているのが例年の安定したディフェンスでみられないことだ。それでもDLではキャプテンの山中(立命館大)、脇坂(日本大)、三輪(立命館大)など日本代表のユニットが揃っており、LB東(近畿大)の活躍も見逃せない。彼らのパスラッシュをオービックオフェンスラインが正当にプロテクションできるかペナルティーをもぎ取るかがキー。またDB陣は山田(同志社大)、辻(大産大)、鷲野(近畿大)、今西(立命館大)、仲山(横国大)、篠原(大阪大)と6選手がインターセプトを記録しているところが層の厚さを示している。

*オービックキッキング

オービックのK・Pは金親(国士舘大)。フィールドゴールの成功率、パントの飛距離共に安定しており、大試合の経験も豊富。控えには、同じく国士舘大出身の新人、服部がいる。
リターナーでは、清水・杉原という社会人アメフトでも有数のビッグプレーメーカーが揃っており、全てのリターンにおいてタッチダウンのチャンスがある。以前から、キッキングゲームに出場する各選手のプライドはとても高く、各自の役割・任務をしっかり果たそうとする。同じくキッキングゲームの巧者であるパナソニックとどう戦うか、戦術面での興味もつきない。

*パナソニック電工キッキング

FGはシーズンを通して、17回中12回の成功で75%の成功率であるが、失敗した5回はブロックされるシーンもあり、昨シーズンのリーグ戦100%成功から後退した。
パント、キックオフは相変わらずうまい。パナソニック電工のキッキングは小笠原(関学大)以外にも飛距離のある佐伯(桃山学院大)が控えており、IBM戦でも確実なキックを決めており盤石な布陣となっている。