リーグ戦を全勝で終え、WEST1位でファイナル6出場を果たした松下電工インパルス。
 昨年ファイナル6の1回戦でリクルートに敗れて以来、QB渋谷を中心に攻撃を立て直してきただけに、喜びもひとしおだ。

 空中戦には、今季見事に花開いたQB渋谷を中心に、ホットラインWR渡辺、井ノ口が揃う。2人ともパスの平均獲得が20ヤード以上とキャッチしてからのランニングにも魅力があり、他のチームにとっては脅威だ。
 また、最終戦でそのセンスを存分に発揮した本場アメリカ育ちの小野や、立命出身のアスリートWR下川ら、まだ実力をグランドで発揮しきれていない選手が目白押しで、頼もしいばかりだ。1試合平均178ヤードを獲得したパス攻撃がファイナル6でも炸裂するのは間違いない。

 地上戦ではWESTラッシング1位のRB粳田、またリーグ戦前半にチームを支えたRB高本、そして後半に関学時代の走りを取り戻したRB安藤が揃う。
 ランプレーだけでも充分に勝てるだけの実力を持ち合わせているだけに、ラン、パスともかなりレベルの高い攻撃を見せてくれそうだ。

 一方の守備はもっとすごい。チームがリーグ戦中盤で苦戦を強いられた際も、勝てはしなくても負けることはないとファンを安心させていたのが、この強力守備陣だ。
 5試合で失点は、唯一サンスターに許した10点のみ。喪失ヤードも平均138.2ヤードと、相手チームはまともに攻めさせてもらえなかった。
 特に、主将・DE脇坂、新人LB藤田(立命)、DB野村らが、チームのわずかなピンチも持ち前のセンスで切り抜け、全く危なげなかった。

 ファイナル6では相手チームの守備力がこれまでとは違い、QB渋谷率いる攻撃も思うようには進まないかもしれない。 しかし、この強力守備陣が怪我人なく試合に臨むことができれば、試合を有利に組み立てる最大の要因になるだろう。

 川口監督は「最終戦で対戦したマイカルの市川主将が『日本一になってください』と言ってくれたときは涙が出そうになりました。これからが本当の勝負です。昨年の苦い思いをせんでええように、じっくりとチームを仕上げてきます」とファイナル6へ賭ける意気込みを話していた。


FINISH RESULT 1997
 9月14日 52- 0 vs大阪ブラックイーグルス
 9月23日 24- 0 vsイワタニサイドワインダーズ
10月 4日  7- 0 vsアサヒ飲料ワイルドジョー
10月19日 21-10 vsサンスターファイニーズ
11月 2日 24- 0 vsマイカルベアーズ