11月4日東京ドーム。CENTRAL最終日。リクルートが圧倒的な実力を見せつけ三和銀行を下した。
 この結果により、日産プリンス東京が1部復帰1年目にして、ファイナル6進出という快挙を達成。
 この試合の行方を静かに見守っていた田中監督は試合後、はしゃぐでもなく、冷静な面持ちで「嬉しい」と語った。

 パルサーズが2部に落ちたのは、今から3年前の94年シーズン。QB東野率いる立命大を松下電工が下し、初の日本一に輝いた年でもあった。
 その華々しい報道の裏で、古豪パルサーズが0-20で東海銀行に敗れ2部に降格したことが伝えられた。田中監督によれば、このときチーム内で主力となっていた選手のほとんどを引退させ、チームの世代交代を促進したという。

 2部2年目となった96年。パルサーズは2部イーストで全勝優勝。1部6位のNECファルコンズが休部のため自動昇格となったが、若いこのチームにとって入替戦を経ずしての昇格は、自分たちの力がどれほど1部の大舞台で通用するのかという不安を抱かせたに違いない。

 97年春。パルサーズはパールボウルトーナメント予選リーグで三和銀行に大勝。東京三菱銀行に引き分けて、1勝1分。堂々の戦績で決勝トーナメントに進出した。
 決勝トーナメントでは、準決勝でシルバースターに敗れたものの、この結果はこのチームに自信を与えた。

 その自信は9月15日、一気に爆発する。パールボウルでも優勝した前年王者の仕上がりを確かめに行ったシーガルスファンの声援が悲鳴にかわる。
 QB板坂から繰り出されるリードオプション、RB関野のダイブは容赦なく前年王者のディフェンスを切り裂いていく。28−27の逆転勝ち。昨年「グレートカムバック」を合い言葉に、日本一に輝いたリクルートを力でねじ伏せての「カムバック」だった。

 その後、日産プリンス東京は三和銀行、鹿島に敗れたものの3勝2敗。シーズン当初の目標であるファイナル6進出を果たすこととなった。
 田中監督は「フロックだと思っている」とあくまで謙虚だ。しかしQB板坂率いるオプションはリーグ随一の切れ味。特に、RB関野のスタート一歩目からトップスピードに乗るその走りは、相手ディフェンスにとって厄介な存在だ。一瞬でもそれに気をとられればTB田辺がオープンを走り、WR中澤へのプレイアクションが繰り出される。
 一部のディフェンスを次々に撃破してきたオプションだが、QB板坂は「まだまだ不満。もっともっと破壊力をつけたい」と満足しない。

 ディフェンスはLB村井をはじめ、DL藤井らが支える。鹿島戦ではパスカバレッジに不安を残したものの、フロントは力強い。
 「全員がやるべきことを見いだせるようになった」ことに加え「コーチが選手を上手にコントロールできるようになった」と田中監督。
 「勝つうんぬんではなく、全力で全員ができることを精一杯やるだけ」と挑戦者としての姿勢を崩さない。
 「パルサーズタイフーン」はファイナル6でも吹き荒れるか?


FINISH RESULT 1997
 9月15日 28-27 vsリクルートシーガルス
 9月23日 13-14 vs三和銀行ラークヒルズ
10月 2日 32- 6 vsさくら銀行ダイノス
10月12日 20-10 vsすかいらーくスカイラークス
11月 3日 10-31 vs鹿島ディアーズ