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第1クオーター11分、鹿島・丸田(中央)が攻め込みタッチダウンを決め13点目を挙げる |
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第2クオーター、相手陣内に攻め込みファーストダウンを奪う富士通・森本(中央) |
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第4クオーター9分、鹿島・前田が80ヤード走りきり逆転のタッチダウンを決める |
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第4クオーター終了間際、決勝点となるフィールドゴールを決め喜びを爆発させる富士通・西村(右) |
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やはりアメリカンフットボールはおもしろい!という様な引き締まったスリリングな試合であった。残り2秒までもつれようとは・・・。
前半、特に第一クォーターは、鹿島が主導権を握る。自慢のランプレーが炸裂、オフェンスラインがディフェンスラインを圧倒し、パスプロテクションでも十分時間を確保し#10QB尾崎に余裕を与えた。その尾崎は、腕もよく振れており#18WR前田・#2WR中川へのパスも冴えた。第一クォーターに2回のオフェンスシリーズを連続タッチダウンに結びつけての富士通をリード。
しかし富士通も負けていない。第二クォーターにかけて、3回のオフェンスシリーズのうち2回をフィールドゴールで締め追いすがる。特に2本目のフィールドゴールを決めたシリーズは85ヤードのドライブを見せ、
その後のゲーム展開に向け得るものが多かったであろう。前半は、14−6の鹿島リードでターン。
後半は、一転して富士通ペース。#15WRブレナンのタッチダウンですぐさま1点差に、というよりも後半戦の先制点を奪ったのが大きかった。両チームともファーストダウン更新をできずパントを蹴り合った直後、
富士通#11松村のパントリターンで更に流れを手繰りよせた。富士通の攻守ラインは明らかに早く、強くなっていく。オフェンスラインは鹿島のディフェンスラインを押し込み、ディフェンスラインも強力な鹿島をスピードで圧倒し走路を作らせない。この良い流れを引き込んだのは、富士通の2人のQBの活躍だろう。もちろんパスも冴えたが、スクランブルが得意な#19吉田だけでなく、#18出原の走りが鹿島ディフェンスにはボディーブローのごとくダメージを負わせた。キッカー#35西村の2本のフィールドゴールで逆転して、なおディフェンスが奮闘する。
しかし、やはりただで終わらない。第四クォーター残り約二分、先制タッチダウンパスレシーブをしている鹿島#18WR前田が一瞬にしてスタジアムを騒然とさせた。ファーストダウンをとるのに四苦八苦していた中でのパスであった。サイドライン際でショートパスをレシーブすると、タックルを外しスピードを加速、完全に個人技で富士通ディフェンスを切り裂き、逆転タッチダウン。この時点で20対19。鹿島は、富士通にフィールドゴールを決められても、まだ同点となる様に二点コンバージョンを選択。プレーセレクトも良かったが、ほんの少しパスのタイミングが合わなかった。0.0何秒・・。
一点差のまま富士通のオフェンスに。二分という残り時間は富士通の爆発的な攻撃力の焦りには繋がらなかった。まだ行ける・・・。鹿島ディフェンスも必死の抵抗を見せるが、#18QB出原が左にロールアウトし難しい体勢から#80WR米山にパスを投じた。サイドライン際で高いパスであったが米山が好捕。しかし、ここは出原がよく投げた。その後、ランプレーを2回続け逆転サヨナラへのフィールドゴールの準備を整わせる。#35K西村はこの試合ここまで4本のフィールドゴールを決めている。しかも逆風の中でも。残り2秒、舞台はそろい観客の視線は一点に。彼は天を眺め深呼吸し、そして何事もないように淡々とフィールドゴールを成功させた。逆転、試合終了!素晴しいキッカーだった。
富士通は最後まで集中力を持続させた。これまでのチームとは一皮むけた。今後が益々楽しみである。
一方、鹿島は少しショックであろう。負けた事より、自分たちのフットボールをさせてもらえなかった事にである。しかし、まだ立ちなおすチャンスはある。この敗戦をパワーにかえてもらいたい。そして、再戦が待ち遠しい。
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