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第2クオーター3分、鹿島・山本吉がパントリターンから相手ディフェンスをかわしタッチダウンを決め12点目を挙げる |
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第2クオーター14分、タッチダウンパスをキャッチし両手を上げて喜ぶオービック・清水(左) |
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第3クオーター13分、鹿島・丸田が走り込みタッチダウンを決め19点目を挙げる |
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延長タイブレークでオービック・古谷拓(左)が決勝のタッチダウンを決める |
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巧みな試合運びに定評のある昨年王者・鹿島ディアーズと、高い得点力を見せて勝ち上がってきたオービックシーガルズがセミファイナルで激突した。実力拮抗した両チームの対戦は最後まで勝負の行方がわからない歴史的一戦となった。
第1Q、鹿島のキックオフレシーブから試合開始。これまでの試合ではあまり意表を突くようなプレーを見せてこなかった鹿島がいきなり仕掛ける。相手陣残り22ヤードまでボールをゲインした4thダウン。誰もがセオリー通りFGを決めてくると思ったところで、スペシャルプレーを敢行。FGの隊形からWR#11前田がホルダー#28島からのパスを受けると、左サイドのスペースを突いてエンドゾーンまで走りこむ。オービックディフェンスはこのプレーに対応できず先制TDを献上(TFPのキックは失敗)。すぐさま反撃を試みたいオービックだったが、第1Qは相手陣まで侵入することもできなかった。
第2Q早々、オービックに得点機が訪れる。RB#20古谷(拓)へのパスなどでゲインし、ようやくFGトライのシチュエーションとなる。しかし、ここで鹿島ディフェンスがこのFGをブロックするビッグプレー。さらに、ブロックしたボールをDB#4山本がリカバーすると、一気にエンドゾーンまで走り切りTDを獲得。攻撃で良い流れを作れていなかったオービックにとっては痛い失点となってしまう。
何とかして得点差を詰めて前半を終えたいオービック。ここで、この試合パスレシーブで197ヤードを獲得することになるWR#85萩山が魅せた。自陣36ヤードからの攻撃、QB#6菅原からのパスを受けるとランアフターキャッチで相手陣残り16ヤードまでゲイン。持ち前のスピードでTD獲得の機会を演出する。これをWR#83清水のTDにつなげ、オービックは後半に勝負を賭けることとなる。前半は鹿島13-7オービック。
第3Qに入り先に追加点を挙げたのは鹿島だった。QB#6菅原のランやRB#20古谷(拓)へのパスなどで攻めるオービックの攻撃をしのいで得た攻撃権。QB#16尾崎からパスを受けたRB#29丸田は相手ディフェンスの間を抜けて33ヤードを激走しTDを獲得する(2Pコンバージョンにトライするが失敗)。点差を広げられ苦しくなったオービックだがあきらめない。失点直後のドライブでまたもWR#85萩山が活躍する。自陣44ヤードでの3rdダウン、左サイドに位置取った萩山は相手陣40ヤード付近でパスレシーブをすると、追いすがる鹿島ディフェンスの追走を振り切りエンドゾーンまで走りこんだ。TFPのキックが成功すると同時に第3Qが終了し、5点差で第4Qを迎える。
第4Q、オービックはDB#16三宅のパスインターセプトで得た攻撃権をFGの機会につなげる。しかし、このFGはまたしても鹿島ディフェンスにブロックされ、得点を重ねることができない。俄然有利となった鹿島はオフェンスでは時間を使いつつ、ディフェンスでもオービックへプレッシャーをかける。残り時間3分半を切ったところで鹿島のLB#42牧内がエンドゾーン内にいたオービックQB#6菅原をサックしてセーフティ成立。追い上げたいオービックにとっては痛恨の失点となった。
しかし、この後に劇的な展開が待っていた。オービックは意地のディフェンスで鹿島に1stダウンを獲らせず攻撃権を奪取すると、WR#85萩山へのパス、QB#6菅原のキープランなどで相手陣へ侵入する。ついに相手陣残り1ヤード地点までゲインするが残り時間は6秒。最後にボールを託されたのはRB#20古谷(拓)だった。古谷(拓)はこの残り1ヤードをダイブしTDを獲得。TFPのキックも成功し同点。勝敗はタイブレイクに持ち越されることなった。
タイブレイクは先攻がオービック、後攻が鹿島で開始された。先攻・オービックはQB#6菅原からRB#20古谷(拓)への8ヤードTDパスを決め(TFPのキックも成功)、全てを守備陣に託す。TDを挙げるしかなくなった鹿島は、1stダウン、2ndダウンとランプレーを試みるがロングゲインを奪えない。そして迎えた3rdダウン、QB#16尾崎が投じたパスはオービックDL#12カール・ノアがインターセプト。これで試合終了となり、タイブレイクまでもつれた激戦は28-21でオービックの勝利となった。
オービックは、2回のFG失敗やセーフティなど大きなミスもありながら最後まであきらめず粘り強く戦ったことで劇的な勝利を掴むことができた。鹿島はこの試合でも持ち味を発揮し終始自分たちのペースで試合を進めていたが、最後はオービックの爆発力に屈することとなった。
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