XリーグWEST2007年、最初の天王山。WEST3強直接対決の第1ラウンド。
内外電機マーヴィーズとアサヒ飲料チャレンジャーズのゲームは、夕暮れ迫る神戸市王子スタジアムで戦いの火蓋が切られた。

内外電機オフェンス陣は得意のオプションラン、アサヒ飲料は先発QB#18桂のパスを軸にオフェンスを組み立てるが、パントの応酬が続く。
互いの得意なオフェンスに対し、十分な対応をする両ディフェンス陣。「パスディフェンスは成果が出た」と内外電機・武田ヘッドも手応えを持った序盤戦だ。

最初にきっかけを掴んだのは内外電機。自陣32ヤードからのオフェンスを、RB#27土手下の粘り強い走りや、QB#1寺尾のキープで敵陣まで運ぶと、次のアサヒ飲料オフェンスをパスインターセプトにあっさりと仕留め、ゴール前へと迫る。
ここで34ヤードFGトライとなるが、アサヒ飲料ディフェンス陣のプレッシャーもあって失敗に終わる。

その次のアサヒ飲料のオフェンスシリーズ。「今年のウチの看板はオフェンスライン」と、アサヒ飲料・高橋ヘッドが称えるOL陣と、RB#36池下、#15藤山、#33椎木らのタイミングがピタリと決まり、連続で1発ダウン更新を重ねる。
自陣20ヤードからのオフェンスを僅か6プレーでゴール前5ヤードまで運ぶと、最後はQB#11木下が持ち込んでTD。7-0とアサヒ飲料が先制に成功する。

後半開始のアサヒ飲料オフェンスから再びインターセプト奪った内外電機。
自陣28ヤードからQB寺尾のキープや、RB土手下のカウンタープレーが決まり流れを掴みかけるが、敵陣に入ったところで痛恨のファンブル。これをアサヒ飲料DB#32中村が確保して攻撃権を奪う。

アサヒ飲料はこのチャンスに、RB池下のランやQB桂からWR#3桃澤へのパスでダウン更新。
交替出場したQB#6椙田が豪快な独走ランを見せるなどしてエンドゾーンへと陣地を進め、最後はK#17山岡が24ヤードFGをきっちり決め、10-0と内外電機を突き放した。

内外電機もこのまま引き下がらない。
自陣36ヤードからのオフェンスが4thダウンパントに追い込まれたところで、LB#3河合からRB土手下へのパントフェイクパスがまんまと決まりダウン更新。
さらに敵陣35ヤード付近で再び4thダウンギャンブルに追い込まれるが、ここでQB寺尾から、スラント気味に駆け上がるWR#81中川へのミドルパスがヒット。WR中川はそのままエンドゾーンに駆け込みTD、7-10と追いすがる。

この時点で試合残り時間は8分以上あったが、アサヒ飲料が2回のオフェンスシリーズで、丁寧に時間を潰してゲームオーバーとなった。

「采配ミスを選手に助けてもらった」と高橋ヘッド。この苦戦を「ベンチワークの責任」と反省する。
「選手が気持ちの面で切れなかった。チーム状態は良くなってきている」と、選手の頑張りを評価。次節はいよいよ松下電工戦、「まともに運動会をやっても勝てない相手、我々はフットボールで戦う」と、気を吐いた。

試合残り時間4分32秒で唯一、内外電機に巡ってきたオフェンスシリーズがダウン更新に至らなかった場面。「最後のシリーズでプレーが出なかったことが悔やまれる」と武田ヘッド。「ウチが出したかった、相手に出させたくなかったランプレーで負けた」と試合を振り返る。
しかし「選手のモチベーションは下がっていない」と、リーグ最終決戦に備えチームの勢いは変わらない。