ここまでともに勝ち星に恵まれていないＳＲＣ神戸ファイニーズと、アドバ名古屋サイクロンズが対戦した。
一発勝負となる入替戦出場を回避するためにも何とか今季初勝利をもぎ取りたい両チームのサバイバルマッチ。試合はＳＲＣ神戸が試合開始直後のキックオフリターンで、リターナー#5寒川の46ヤードのビッグランで、ハーフラインからの攻撃権を得た。

ここでQB#18佐藤がパス体型からスクランブルランで敵陣27ヤードまで一気に攻め込んだ。さらにQB佐藤からWR#81松岡へのパス、そしてRB#27草清のランでゴール前1ヤード。
しかし、ここから中央やオープンへのランを3回連続止められる。「もし(TDを取れずに)止められていたら、『またか』と選手がショボンとしてしまっていたと思う」(ＳＲＣ神戸・畑原ヘッドコーチ)という心配をよそに、最後はRB草清がオフタックル付近を走り抜けTD。精神的にも大きな先制点を奪った。

ＳＲＣ神戸は続くシリーズでも自陣30ヤードから、3thダウン19でQB佐藤がWR#87藤村への縦パスを決め、一気に敵陣へ。さらにRB草清がオフタックル付近へのランや、相手DBのパスインタフェアの反
則などでゴール前7ヤードとすると、最後はQB佐藤がRB#48宮下へのパスを決め14-0とリードを広げた。
ＳＲＣ神戸は次のシリーズでもゴール前2ヤードまで迫ったが、反則で罰退を余儀なくされ、25ヤードのフィールドゴールも失敗し、追加点を奪い損ねた。

その直後のアドバ名古屋は自陣20ヤードからRB#33野原のランやQB#15小林のフリーフリッカー、そしてRB#29田中の中央突破で敵陣22ヤードまで迫る。
しかしここで中央突破を試みたRB野原が強烈なタックルを受け痛恨のファンブル。傾き掛けたムードをみすみす逃してしまった。

TD2本差のままで前半を終えるかと思われた11分30秒、アドバ名古屋QB小林のタイミングパスを読み切ったＳＲＣ神戸ディフェンスの#64中野がインターセプトし、そのままエンドゾーンまで43ヤードを走りきりTD。大きな追加点を挙げた。

後半に入ってからはお互いにオフェンスに決め手を欠く。第4Qに入り、何とかTDを奪いたいアドバ名古屋が4thダウンのギャンブルトライを失敗。
いきなり敵陣22ヤードからのオフェンスとなったＳＲＣ神戸がRB#33杉原、#24徳重のランでゴール前11ヤードまで迫り、最後はパス体型から自ら持って走ったQB佐藤のランでTDしたのが唯一後半の得点となった。
結局27-0でＳＲＣ神戸が今季初勝利をおさめ、同時に入替戦出場の可能性を回避した。

畑原ヘッドコーチは「何よりもオフェンスが点を取らないといけないと、アズワン戦後に言ってきた。今日はランが通ったので、結果パスも通すことが出来た。20点差以上つけて勝ことだけを考えて戦ったが、入替戦出場を回避できたことも知り、嬉しい」と今季初の笑顔での会見。

一方、ノーハドル攻撃の奇襲も実らなかったアドバ名古屋・谷川監督は「第1Qに14点を取られたのがきつかった。またムードに乗れそうなところでことごとくやられた。やはり相手はフットボールが上手かったです」と悔しそうに話していた。