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第1クォーター、相手陣内に攻め込む鹿島・丸田(中央) |
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第2クォーター、パスキャッチしファーストダウン奪うオービック・清水 |
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第2クォーター、鹿島・尾崎(中央)が攻め込みファーストダウンを奪う |
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延長タイブレークで鹿島を破り準決勝進出を決めたオービックの選手たち |
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2007年Xリーグの決勝トーナメント、FINAL6東日本シリーズの1回戦は、鹿島ディアーズ(CENTRAL1位)とオービックシーガルズ(EAST2位)が対戦。過去に数々の名勝負を繰り広げてきた両雄の好カードとなった。
鹿島・森ヘッドコーチ、オービック・大橋ヘッドコーチ。奇しくも数ヶ月前は日本代表チームの攻守コーチとして、ともにW杯を戦ってきた相手だけに、互いの実力は百も承知。どちらも全開のオフェンスでスタートした。
先に流れを掴んだのは鹿島。QB#10尾崎の操るオフェンスは、RB#29丸田、#38佐藤、#5山らを執拗に使い分けたランオフェンス。最初のシリーズはRB丸田のランを軸に4回のダウン更新を重ね、ゴール前21ヤードへ迫るが、FGトライも失敗に終わる。
さらにその次のシリーズはRB佐藤を繰り返し起用し、Qタイムを経てエンドゾーンまで19ヤードと進むが、再びFGトライ失敗で終わる。
敵陣40ヤードから始まった鹿島3度目のオフェンスシリーズ。4thダウンに追い込まれたところでQB尾崎がギャンブルを敢行しダウン更新。
WR#88松永へのパス、QB尾崎のQBドローでゴール前4ヤードとすると、最後はRB丸田が右オフタックルを走りこんでTD。7-0と鹿島が先制に成功する。
前半のオービックは、最初のシリーズこそFGトライまで進んだものの、その後は鹿島ディフェンス陣の早い潰しに、なかなかドライブが続かないでいた。
鹿島7-0のリードで迎えた後半。オービックは、オフェンスをQB#15龍村のパスを軸にスイッチして反撃を開始する。
「思い切って投げ込ませたことでリズムが良くなった」(大橋HC)。
自陣39ヤードから始まったオービック後半2回目のオフェンスシリーズ。QB龍村からWR#19水口、#83清水へのロングパスが立て続けに決まり、ゴール前25ヤードとすると、エンドゾーンに走り込んだWR水口にTDパスがヒット。しかしTFPキックを失敗し、6-7と同点にはならなかった。
鹿島も次のキックオフリターンをKR#18中川が70ヤードのビッグリターンで反撃。このチャンスをK#26鹿島のFGに繋げ、10-6と点差を広げる。
後半に入ってから俄然キレの出てきたQB龍村のパスアタック。4Q開始早々には、パスを警戒して下がり気味に守る鹿島ディフェンスのウラをかいて、QB龍村、RB#20古谷、#35山崎らのランで連続ダウン更新。
しかしゴール前20ヤードと攻め込んだところで、鹿島#24佐野がパスインターセプトで流れを断ち切る。
さらに次のオービックのオフェンスを、鹿島DL#55横田がQBサックでファンブルを誘ってターンオーバーを奪い、敵陣36ヤードからと鹿島のチャンス。
これを再びFG成功に繋げて13-6。オービックに傾きそうな流れを、鹿島ディフェンス陣が懸命に引き戻す。
しかしこの直後に試合を決定づけるビッグプレーが飛び出す。
自陣11ヤードでキックオフのボールを受けたKR清水が、じっくり体勢を見てから一気に急加速。「ブロックが良く決まっていたので、あとはそのまま行けた」(#83清水)。
瞬く間に相手カバーチームを置き去りにしてリターンTD。TFPのキックも決まって13-13。残り時間1分47秒で試合は振り出しに戻ってしまった。
タイブレークは、先攻のオービックがQB#17村上のキーププレーでTD。後攻の鹿島オフェンスを無得点に抑えて、オービックが逆転勝ち。FINAL6準決勝へとコマを進めた。
「強い鹿島に横綱相撲を挑んでもかなわない。多少のリスクを冒しても勝負していった」と、大橋HC。次は大阪へ乗り込んでの松下電工戦。「ゲームプランはこれから。相手はオールジャパンディフェンスだけに調子にのせると大変」。強敵との戦いに、むしろ楽しげな表情が印象的だ。
あと一息で勝利に手が届かなかった鹿島の森HCは「ディフェンスや新人はよくがんばってくれた。キック、オフェンス、ディフェンス、すべての面でもう一歩が足りなかった」と、空を見つめた。
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