|
第1クオーター、攻撃陣に指示を出すパナソニック電工・高田 |
|
|
第1クオーター12分、鹿島・丸田(中央上)が飛び込みタッチダウンを決める |
|
|
第2クオーター5分、パナソニック電工・石野(中央)が相手ディフェンスをかわしタッチダウンを決める |
|
|
第3クオーター、鹿島・前田が走り込みファーストダウンを奪う |
|
|
今シーズン爆発的なオフェンスを見せるパナソニック電工インパルスか、それとも鉄壁のランディフェンスを誇る鹿島ディアーズか。ジャパンエックスボウルは力と力のぶつかり合いで好ゲームを展開した。
まず先制したのは鹿島。敵陣44ヤードでQB#10尾崎からTE#14脇田、WR#2中川へのパスや、RB#38佐藤のランでゴール前14ヤードまで迫ると、最後はRB#29丸田のランでTDした。
鹿島は次のシリーズでも敵陣44ヤードでQB#10尾崎からTE#14脇田、RB#29丸田へのパスなどが決まりゴール前8ヤードとすると、ここからRB#29丸田が4回連続でランプレーを展開。最後は1ヤードを走ってTD。14−0とリードを広げた。
一方、なかなかリズムをつかめなかったパナソニック電工、1Q終了間際の自陣15ヤードからの攻撃。
QB#8高田のランやRB#20石野、#1小林のランで自陣40ヤードまで挽回したものの、4thダウンで2ヤードを残してしまう。ここでギャンブルを選択、強気の攻めに出る。これまで練習してこなかったというQB#8高田のスニークプレーでギャンブルを成功すると、WR#86野口への16ヤードのパスや、「今日のパスで一番良かったプレー」(QB高田)というWR#7長谷川への22ヤードのパスが決まり、ゴール前16ヤード。
ここからRB#1小林らのランでさらに前進すると、最後はRB#20石野が2ヤードを走りTD。85ヤードのロングドライブを力づくで押し込み反撃の狼煙をあげる。
さらにパナソニック電工は、PR#81塚崎の22ヤードリターンで敵陣32ヤードからの攻撃権を得た次のシリーズでも、RB#20石野の中央突破、QB#8高田からWR#2霊山へのパス、RB#1小林のランでゴールまで13ヤードとすると、ふたたびRB#20石野が中央を華麗に突破してTD。14−14の同点に追いついた。
完全に勢いに乗ったパナソニック電工は、次のシリーズでもRB#20石野の29ヤードのラン、WR#81塚崎への20ヤードのパスなどで敵陣35ヤードまで進むと、ここでまたもやRB#20石野が、4thダウンギャンブルから32ヤードのビッグランを見せゴール前3ヤード。
最後はRB#1小林の中央突破でTD。前半終了間際にとうとう21−14と、逆転に成功する。
後半に入ってからは、双方のディフェンス陣が踏ん張りを見せ、互いに決め手に欠く展開が続く。
試合を決定づけたいパナソニック電工は、第3Q終了間際からのオフェンスを辛抱強くドライブ。敵陣16ヤードまで進んだところで、QB#8高田がフェイクランナーにこの日絶好調のRB#20石野を起用する「女神フェイク(※注)」からのQBキープ。このスペシャルプレーがものの見事に決まってTD。28−14とし勝利を手中に収めた。
Xリーグ2008最優秀選手賞、ジャパンエックスボウル最優秀選手賞を受賞したパナソニック電工のRB#20石野は、17回持って195ヤードを走り、2TDを奪う大活躍。「OLのお陰です。今日は全員でフットボールができたと思う」と満面の笑み。
パナソニック電工の村上監督は「第2Qのギャンブル成功が大きかった。失敗していても、パントで逃げていても、ディフェンスがアップアップの状態だったのでしんどかった。石野も抜群やったし、ランプレーがここまで出るとも思わなかった。ここ3試合、厳しい試合が多かったが、選手もスタッフもよく頑張ってくれた。感謝したい」と、快勝にこちらも会心の笑顔。
一方、鹿島の森ヘッドコーチは「1Qの2本(のTD)はラッキーだった。内容は完敗。1対1のタックルで負けていた部分もあり、相手のランが出たことでリズムを与えてしまった」と、流れを引き戻せなかったことを悔やんでいた。
パナソニック電工は、2年連続6度目の優勝を果たし、来年1月3日に行われる学生王者との対戦で2連覇を目指す。
なお、ジャパンエックスボウルMIP賞は鹿島DL#92西川、棚橋賞にはパナソニック電工OL#71後藤がそれぞれ選ばれた。
(※注)「女神フェイク」;QBがパスを投げる動作で高々と手を挙げながら、後でRBへボールをハンドオフするトリックプレーは、QBのその姿から「自由の女神」と呼ばれる。今回は、さらにRBへボールを渡さずQBが自ら持って走る2重のトリックプレーになっていた。
|