ファイナル戦線に生き残るためにももう負けられないマイカルベアーズと、ここまで3連敗、なんとしても初勝利をモノにしたいイワタニサイドワインダーズが西宮球技場で対戦した。
背水の陣のイワタニ。故障療養中だったQB松本がこのゲームから完全復帰し、今季初スターターを務める。
試合開始のファーストプレー、イワタニ自陣21ヤードからのオフェンス。オプションを警戒するマイカルディフェンスの完全に裏をかいたプレーアクションパスがTE越智にヒット。一気にゴール前29ヤードまで前進する。ここはTDに至らなかったものの、K豊野の35ヤードFGでイワタニが3点先制、幸先の良いスタートを切った。
1Qの10分過ぎからマイカルが反撃を開始する。自陣42ヤードからのオフェンス。RB波武名、QB夏目のキープなどでダウンを更新すると、久々フル出場のRB杉山が力強い中央突破で、ゴール前36ヤードへと陣地を進める。
このチャンスにマイカルの新ホットラインQB夏目から新人WR川崎(専修大)へのTDパスが炸裂。この後のTFPもホルダーの新人・十文字(日大)がTE樋口へにパスを成功させ、8−3と一気に逆転する。
必勝態勢で臨むイワタニもロングドライブで食い下がる。自陣29ヤードからのオフェンスシリーズをQB松本のキープ、RB山本(和)へのピッチプレー、早いタイミングのプレーアクションパスなどで次々とダウンを更新、ゴール前19ヤードと攻め込む。
しかし、「前半の2本はTDにしないとね」とイワタニ森下監督が悔やむように、ここからあと一歩が出ず、K豊野の32ヤードFG成功で8−6、逆転にはいたらない。
突き放したいマイカルもドライブ開始。自陣34ヤードから、RB杉山、波武名、徳重辻野、新人・宮下(専修大)といった豊富なRB陣を駆使した10プレーで、ゴール前8ヤードへと押し寄せる。
ここからも、RB波武名、杉山、宮下といった3連続ランプレーで、イワタニディフェンスの壁をこじ開けTDを奪取。15−6とリードを広げた。
後半にはいるとゲームは一転して膠着状態となる。
互いに決め手を欠く展開の中、「これだけ持ったのは久々」というRB杉山が、4Q開始早々に43ヤードのビッグゲイン。このプレーが、RB波武名の4ヤードTDランに結びついて22−6。ゲームの大勢を決定づけた。
その後マイカルは、K山口(豊)の24ヤードFG成功でさらに3点を加点して、25−6で完勝。ファイナル出場への望みを繋いだ。
ファイナル出場を賭けて、西の横綱・アサヒ飲料との一騎打ちとなった最終戦。「今季取り組んできた我々のフットボールで、アサヒ飲料とどういうゲームが出来るのか。それだけです」と正念場を見据え言葉に気合いが入るマイカルの肥田代表。
一方、勝ち星のないまま最終節を迎えることなった森下監督は「今度のゲームはチームの存亡をかけて戦います」とこちらも最終戦へ向けて決意を新たにする。
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