XリーグCENTRAL開幕戦となるリクルートクラブシーガルスと、五洋建設パイレーツの一戦が、9月15日、大井第2球技場で行われた。
Xリーグ初見参となる五洋建設が、強豪・リクルート相手にどの程度食い下がれるのか。注目を集めたゲームは、前半終了時点で五洋建設が試合の主導権を握るという内容。「惜しい星を逃した」(左瀧ヘッドコーチ) と、挑戦者を悔しがらせた。
ゲームはいきなり五洋建設のペースで幕を開けた。先発QB川嵜から新人WR松下(甲南)へのパスがヒットすると、続いて自らのランで、瞬く間にゴール前23ヤード。先制のFGトライは失敗に終わったものの、リクルートディフェンス陣の度肝を抜いた。
続いてのシリーズでも自陣20ヤード付近からハーフウェー付近までドライブしてパント。これをリクルートリターナーが捕球に手間取り、リクルートは自陣1ヤードと、厳しい状況からのオフェンスとなる。
2プレー目、リクルートの先発QB井上がドロップバックしたところへ、五洋建設DL山下、松田が襲いかかりセーフティ。五洋建設がディフェンスの好プレーで2点先制する。
1Q終了間際からの五洋建設。QB川嵜のパスとラン、RB古谷(晋)ランなどで、ゴール前14ヤードと陣地を進めると、Qタイムを挟んで、K五十嵐が31ヤードのFGを決め、5−0とリードを奪い、このままの得点で前半が終了。
「オフェンス、ディフェンスとも相手の方が上。特に精神的スタミナが素晴らしかった」と、五洋建設の攻守に脱帽の大橋ヘッドコーチを救ったのは、後半開始早々のKR里見。
後半開始のキックオフリターンでデイライトな走りを見せて89ヤードリターンTD。一気に逆転、重苦しいムードに“活”を入れた。
これでようやく目の覚めたリクルート。LB石山のインターセプトで攻撃権を奪うと、RB古谷(拓)らのランプレーを軸に前進。最後はQB井上からWR寺尾への34ヤードTDパスが決まって14−5。ようやくリクルートのペースになったかに見えた。
さらに追加点をねらうリクルートの35ヤードFGトライを五洋建設ディフェンスがブロック。敵陣48ヤードでオフェンスに渡す。このチャンスにQB川嵜が応え、RB古谷(晋)へのパスなどで、ゴール前1ヤードまで攻め込むと、ダイブプレーでこぼれてフリーになったボールを、エンドゾーン内でQB川嵜が確保してTD。14−12とリクルートを追い上げる。
この日のラッキーボーイとなったリターナー里見。こんどはパントされたボールを43ヤードリターンしてゴール前4ヤード。
オフェンスに絶好のチャンス。QB井上からRB根崎へTDパスが決まり20−12。しかし、TFPのスナップにミスが出て、8点差を残してしまう。
ここで五洋建設はQBに小川を投入。QB小川は期待に応え、自陣27ヤードからのドライブを、WR三枝へのTDで締めくくり20−18。
リクルート応援団の悲鳴が聞こえる中、LB石山が2ポイントコンバージョンのパスをインターセプト。
続いての五洋建設のオンサイドキックもこの石山ががっちり確保。結局、虎の子の2点差を守り抜いてリクルートが薄氷の勝利を収めた。
「まだまだ出来るはず。それを発揮できないのはなぜか、一人一人が真剣に考えてほしい」と険しい表情の大橋ヘッドコーチ。この日のラッキーボーイ里見も「自分らにとって最低の試合」と笑顔はなかった。
「さすがに意識しました」と五洋建設のRB古谷(晋)。注目のエースRB古谷兄弟対決は、最長42ヤードを含む獲得71ヤード対60ヤードで、お兄ちゃん(古谷晋也選手)に軍配。
|