10月1日都民の日。東京ドームでの一戦は、リクルートクラブシーガルズとオンワードスカイラークスが激突。CENTRALは第2節にして早くも天王山を迎えた。
試合は、第3Qまで息詰まる接戦となったが、春のパールボウル準決勝の雪辱を期すリクルートが、34−17とON−SKYに完勝。勝点を4とするとともに、混戦のCENTRALディビジョン制覇に向けて、一歩抜け出した。
第1Qは、お互いに決め手を欠く静かなスタート。試合が動いたのは第2Q早々のリクルート2度目のドライブだった。
この日の先発は、初戦を欠場したエースQB松本。松本は、WR堀江へのスクリーンパスやショットガンからのミドルパスなどで敵陣深く攻め込む。
ゴールまで残り3ヤードを残して4thダウン。FGでまずは先制と思いきや、スナップを受けたホルダーの前川が、K大久保へピッチ。そのまま大久保は右サイド走りきりTD。ON−SKYの裏をかくスペシャルプレーで、リクルートが7−0と先制する。
ON−SKYは続くキックオフで、KR加畑の73ヤードのビッグリターンからFGチャンスを掴む。しかし、先制して勢いに乗るリクル−トは、DB古庄が鋭いラッシュでこのキックをブロック。
このチャンスにWR堀江が、リクルートの“伝家の宝刀”クイックスクリーンから、4人のブロッカーに囲まれて余裕の54ヤード独走TD。瞬く間に14−0と試合の主導権を握る。
得意のラン攻撃をリクルートの攻撃的なディフェンスに封じ込まれていたON−SKYは、前半終了間際に意地を見せる。
残り1分56秒から、右サイドにロールしたQB小島がWRブレナンへ超ロングパス。リクルート守護神、FS寺田を完全に抜き去り、56ヤードのTD。後半へ向けてON−SKYが一気に盛りあがる。
第3Qに入っても、ON−SKYの勢いは続く。QB小島からベテランWR神、WR福田(奨)へのロングパスで敵陣に入ると、とどめはRB加畑がパワーでエンドゾーンへ飛び込み、14−14と、遂に試合を振りだしに戻す。
しかし、リクルートもこのままでは終わらない。相手の反則にも助けられ、7プレーで敵陣深く攻め込むと、ボブスレー日本代表としても活躍するSB安部が、ショートパスから相手タックラーを弾き飛ばし、魂の25ヤードTD。再び主導権を握る。
その後、リクルートはFGで4点差にされるものの、第4Q3分過ぎには、ピッチを受けたRB古谷が、タックラーを次々にかわして33ヤードダメ押しのTD。27−17として試合を決めた。
ON−SKYは321ヤードを獲得したものの、QB小島のスクランブルに頼るオフェンスには限界があった。第4Qには息を吹き返したリクルートの攻撃的なディフェンスに、立て続けにパスを失敗するなど、決め手を欠く結果となった。
前節は新鋭・五洋建設に苦しめられた大橋ヘッドコーチだが「ここまで意外と時間があった」と試合前にもらしたように、リクルートはチームの建て直しに成功していた。試合後は「今日はウチらしいゲームが出来た」とその表情は満足げだ。
一方、破れた野田監督は「今日は完全に向こうが上回っていた。QB小島はよくやってくれたが、土壇場でどこまでやれるかが今後の課題。今日の経験を活かして成長して欲しい」と、この大一番の重責を担った若いQBの今後に期待を寄せた。
また、横綱武蔵丸関、元大関でタレントのKONISHIKI氏が見守る中、シーズン2戦目にして、花田勝選手がTEのスターターとしてフィールドに立った。
「コーチに云われて心構えは出来ていた。自分としてはまだ全然進歩していない。あとでビデオをよく見てもっと練習していきたい」。花田選手は、攻守蹴含めて9プレーをこなし、初めて経験した実戦のディフェンスには「スピードが早く、全体で押し寄せてくる感じ」と率直な感想を話した。
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