2002年度Xリーグ開幕戦。シーガルズ対オンワードスカイラークスの注目の一戦は、強力なディフェンスでゲームをコントロールして、少ないチャンスを確実にモノにしたシーガルズが、19−3で快勝。
昨年のリーグ戦に続き、宿敵ON−SKYを返り討ちした。
この日の東京都内は、大雨警報が発令されるなど大荒れの空模様。しかし、嵐を予感させた早すぎる頂上決戦はそれに反して静かな立ち上がりとなった。
コイントスで勝ったシーガルズは、いつものように後半の選択権を取得。まず相手のオフェンスを封じることでゲームの流れを掴もうという、ディフェンスに圧倒的な自信を持つシーガルズならでは戦法である。
第1Qはディフェンスがオフェンスを上回る展開で、お互いになかなかダウン更新も奪えない状況が続く。
ゲームが動いたのは第2Q開始早々。やはりディフェンスの踏ん張りからだった。
LB阿部のQBサックから攻撃権を得たシーガルズは、これまでの沈滞ムードを一掃させるビッグプレーを披露した。
「一発プレーが出来る男。彼の仕事をした」と大橋ヘッドコーチ。今春は米国AFL(アリーナフットボールリーグ)のニューヨークドラゴンズで技を磨いたWR堀江が、圧倒的なスピードでON−SKYのディフェンスバックを抜き去り、この大舞台で先発に抜擢された長身パッサー、QB高橋から68ヤードTDパス。7−0と先制する。
先制を許したON−SKYは、ランプレーを主体としたベーシックなプレーから、QB富澤の機動力を使ったプレイに切り替えた。しかし、それが裏目に出た。
スクランブルから体勢を崩した富澤は、パスを投げた瞬間にハードヒット喰らい、そのまま負傷退場。ON−SKYは暗雲が立ち込めたまま前半を終了する。
後半に入ると、またしてもシーガルズLB阿部のQBサックがオフェンスの口火となる。
ON−SKYのパントミスから敵陣21ヤードから攻撃権を得たシーガルズは、TDこそ奪えなかったものの、K善田が35ヤードのFGを成功させ、その差を10点とする。
これ以上点差を広げられたくないON−SKY。
QB小島がWR武井へのパスと自慢のスクランブルキープで一気にシーガルズ陣内へ入り込む。これをK福田の45ヤードFGに繋いで、反撃の狼煙を上げる。
そんなON−SKYの追い上げムードにトドメを刺したのが、またしても堀江だった。
シーガルズは敵陣に入った直後、QB高橋が一度RBへハンドオフしてから、再度QBへ戻すスペシャルプレー“フリーフリッカー”で45ヤードと大きくゲイン。
その2プレー後にこの日、尽く活躍の場をON−SKYに封じられていたRB古谷がその鬱憤を晴らすかの如く1ヤードを飛び込んで、駄目押しのTD(TFPは失敗)。勝負を決めた。
「夏、苦しんで一皮剥けた。プレーの安定度は今一番」と大橋ヘッドコーチが絶賛するQB高橋は、17回のパス成功で224ヤードを獲得。スタートQBの座を不動のものにするような大活躍だった。
一方、大事な一戦に完敗したON-SKY野田GMは「ファンに申し訳ない試合をした。試合になっていない。ディフェンスは良かったが、全体的に厳しさが足りない」と次節のハスキーズ戦へ向けて気持ちを引き締めていた。
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