日産スカイライナーズとIBM BigBlueの新旧対決は、決着がつかず14−14の引き分けに終わった。
この結果、IBMは1勝1敗1分けで勝ち点3、日産は2敗1分けの勝ち点1となった。
第1Q3分59秒。日産のミスに乗じてIBMは「日産さんがリズムにのる前の運のいい」(IBM・的場監督)先制点を奪った。
日産QB岡本からWR中澤に投じられたパスが、IBMディフェンス陣と争って浮いたところを、IBMのDB中村が押さえて攻撃権を獲得。
このチャンスにRB児玉のラン、WR安田へのパスで進撃し、新人RB徳地(関学)の43ヤードロングランで敵陣3ヤードまで進む。そしてQB柴田がQBスニークでエンドゾーンを陥れた。
再びIBMは、日産のファンブルボールをLB小西がリカバー。自陣27ヤードからRB児玉、新人RB秋原(京大)のランに、TE天谷へのパス、RB徳地のランでゴール前6ヤードまで攻める。
4thダウンギャンブルを敢行するも、日産ディフェンス陣に阻まれ追加点ならず。「このあたりがまだまだ甘い。ここできっちり1本取るのがXリーグ上位チーム」とIBMの的場監督は振り返った。
しかしこの後IBMは、QB柴田のラン、TE杉浦へのパス、RB石川、秋原のランで敵陣7ヤードまで進み、最後はWR安田へのTDパスで14−0とリードする。
だが日産も黙ってはいない。得意のオプションを炸裂させる。QB岡本のキーププレー、RB長谷川、望月、勇のランプレーなどでIBM陣内6ヤードまで攻め込む。
そして4thダウンギャンブルで、QB岡本からWR中澤へのTDパスを前半残り32秒に決め、後半に望みをつないだ。
モメンタムを引き寄せた日産。後半開始のIBMファーストシリーズをパントに終わらせ、オフェンスを展開する。
WR中澤のリバースプレー、RB望月のランで敵陣21ヤードに侵入する。最後はQB岡本のキープランでTDを奪い、ついに14−14と同点に追いつく。
第4Qに入っても日産オフェンスのリズムは止まらない。ショットガンとオプションを併用しながら、今季初勝利奪取に燃える日産オフェンスは、炎の進撃で再三再四敵陣に入り込む。
しかし「今日の試合でディフェンスは、日産の猛攻をよく2TDに押さえた。合格点」と手放しに的場監督が誉めたとおり、LB大槻が値千金のインターセプトでオフェンスを遮る。
さらには4分13秒、ゴール前3ヤード。
「FGを狙わず、4thダウンギャンブルを日産さんが選択してくれてラッキーだった」(IBM・的場監督)。この日産オフェンスをIBMディフェンス陣が防ぎ切り、無得点に押さえる。
試合時間残り2分過ぎ、まだ続く日産オフェンス怒涛のオフェンスを、今度はLB幡野がインターセプトで断ち切り、IBMに勝ち越しのチャンスが訪れる。
IBM応援席からの「オフェンス!オフェンス!」の大コールが沸き起こる中、勝利に向かってIBMが最後のオフェンスを繰り広げた。
WR貴志、神田へのパスで敵陣21ヤードまで持ち込み、残り5秒に勝利を賭けた39ヤードのFG。だがキックされたボールは無常にも左サイドに切れ、14−14で引き分けに終わった。
まだ今季勝利のない日産の田中監督は「いま新旧交代の時期。ベテランと岡本をはじめ核になる中堅が新人たちを教え込んでいる。試合を重ねるごとに、粘り強さがでている。今日はミスが続出した。やはり練習の段階からミスを打ち消していかないと・・・」と反省しながら、「つぎは鹿島戦。胸を借りるつもりでやるしかない」と残り2試合に全力を尽くす覚悟をみせた。
一方、この引き分けでFINAL6出場権争いに留まったIBMの的場監督は「引き分けは予想外。オフェンスの自滅です。自分たちの流れを自分たちで止めてしまった。オフェンスは思いっきり、もっともっとやってほしかった。しかし日産さんの後半のオフェンス、ディフェンスは凄かった」と試合を振り返った。
「つぎは富士通戦。納得できる試合をするだけ」ときっぱり。
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