夕方から雨足が激しくなり、前節に続いて雨中での戦いを強いられた松下電工インパルスと、Xリーグとなって初のシーズン3勝を狙うイワタニサイドワインダーズが対戦した。
先制したのはイワタニだった。
自陣36ヤードからのオフェンスで4thダウン残り2ヤード。パント体型からP仙波が、試合開始早々にもかかわらず、掟破りのランで右オープンを走り敵陣36ヤードまで攻め込んだ。
ここからRB川田の積極的なランをみせ、ゴール前23ヤードまで迫ると、最後はK仙波が42ヤードのFGを決め3点を奪った。
松下電工は今季初失点。もちろん今季初リードを奪われる立ち上がりとなった。
しかしフィジカルで上回る松下電工は、自陣36ヤードからQB高橋(公)がWR下川にパスを決め、ハーフライン付近まで陣地を挽回。
ここでRB小林が中央を鮮やかに突破し、49ヤードを走りきってTD。7−3とあっさり逆転した。
これで調子を取り戻すかと思われた松下電工ディフェンス陣だが、リズムに乗り切れない。
イワタニはRB兼本、生島らが次々と中央突破、またもや敵陣35ヤード付近まで攻め込む。だがここで反則を2回繰り返し、痛恨の罰退。
得点することこそできなかったが「前に」というチームの勢いが感じられた。
追加点の欲しい松下電工だが、パスでOLのパスプロテクションにミスが出て、QBサックされてしまう。
また反則で罰退させられるなど、前半は全くいいところが出せないまま、常にイワタニペースで試合が進められた。
後半に入ってからも、前半の悪いムードを引きずったままの松下電工。自陣27ヤードからQB高橋(公)からWR下川へのパスが決まるが、攻めきれずパント。
このボールをイワタニのPR藤井がはじいて、松下電工が敵陣38ヤードから再び攻撃権を得たものの結局得点できずじまい。
次のシリーズでも、敵陣42ヤードからRB小林、樫野、粳田らのランでゴール前16ヤードまで迫ったが、ここでQB高橋(公)の投じたパスを、このプレーを読みきったイワタニLBの加藤にインターセプトされ、追加点をあげることができなかった。
それどころか、ボールを奪ったLB加藤がゴール前27ヤードまで必死に走る。このディフェンスが作ったチャンスにオフェンスが応え、QB大橋がTE平井へ、この試合唯一のパスを決める。
最後はRB川田が逆転の13ヤードTDラン。王者・松下電工を相手に第3Qにリードを奪ったのだ。
しかし、これでようやく目の覚めた松下電工。
第4Qに入って敵陣41ヤードからのシリーズで、RB樫野と小林のランで再び逆転に成功。試合終了間際にもRB小林がTDを挙げ、21−10で全勝を守ることができた。
松下電工の村上監督は「しんどかったです。ナニが起こるかわからないとはいうものの、ここまで苦戦するとは思いませんでした。(次のアサヒ飲料戦は)これを目標にやってきたので、いい試合をしたい」と大雨の中での勝利に、とりあえず一安心といったところか。
一方、イワタニの森下監督は「雨天コールドってないんですかね(笑)。持てる力をほとんど出し切ったと思います。あと一つ残っているので、この試合での経験を活かしていいカタチで、最終戦を迎えたい」と、こちらは大善戦に表情がほころんでいた。
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