降りしきる雨の中、等々力球場で行われた学生援護会ROCBULLと五洋建設パイレーツとの一戦は、13−8で五洋建設が逆転勝利。Xリーグ初白星を飾った。
キックオフ直後のファーストプレー。五洋建設はRB阿部のドロープレーで大きくゲインして、一気に学生援護会陣にはいる。
その後も3rdダウンロングのピンチをQB君川からWR松下へのパスで乗り切り、ゴール前に迫る。
しかし、雨の影響からか敵陣5ヤードで痛いファンブルが飛び出して学生援護会にボールを抑えられてしまう。
続く学生援護会のオフェンスに1stダウンを許さず、パントに追い込んだ五洋建設は、敵陣46ヤードという好フィールドポジションを得る。
ところがQB君川がCからのスナップをファンブル。またもや攻撃権を手放してしまう。
このチャンスに学生援護会は、QB増田からWR尾崎へのパスとRB清水のランでボールを進めて、最後はゴール前2ヤードからの4thダウンギャンブルをRB五嶋のランで締めくくってTD。
TFPは、ホルダーの川崎がスナップをファンブルしてキックが出来ず、苦し紛れに投げたパスがTE守田に決まるという幸運もあって2点を追加。8−0と優位に立った。
2Q、五洋建設は学生援護会のファンブルから敵陣21ヤードという絶好の機会をつかむ。
だが、雨で滑るボールは五洋建設を嘲笑うかのようにボールキャリアの手から飛び出し、チャンスを逸してしまう。
その後、膠着化した試合が激しく動きだしたのは4Qに入ってからだった。
何とかして反撃の糸口を作りたい五洋建設は、QB君川の右腕に活路を見出そうとする。しかし、自陣20ヤードからのパスは、学生援護会CB荒川にインターセプトされてゴール前7ヤードまでリターンされてしまう。
ここで得点すればほぼ試合の行方を決めることが出来る学生援護会だったが、4ヤードしかボールを進めることが出来ず、FGもホルダーがスナップをファンブルして蹴ることが出来ない。
九死に一生を得た五洋建設。しかし直後のオフェンスでダウンを更新できなかったばかりか、パンターが激しいラッシュを浴びて自陣3ヤードでタックルされてしまう。
学生援護会が今度こそダメ押しのTDをあげて、試合にケリをつけると誰もが思った瞬間に驚くべきことが起きた。
ハンドオフ受けた学生援護会RB五嶋がファンブル、そのボールがDL田崎の前に転がった。元々LBでそのスピードと運動能力に長けたDL田崎はボールを拾い上げ、エンドゾーン目がけて疾走。
途中、学生援護会QB増田に追いつかれそうになりながらも最後には振りきり、95ヤードのファンブルリターンTDを成功させた。
2点コンバージョンに失敗して2点差はまだあるとはいえ、これで流れは完全に五洋建設に傾いた。
キックオフ直後のシリーズ、学生援護会はまたしても痛恨のファンブル。敵陣16ヤードで攻撃権を得て勢いに乗る五洋建設は3プレー後、RB林が右オープンをスピードで振りきってTD。
その後の反撃も抑えきった五洋建設は、劇的な逆転勝ちで念願の初勝利を手にすることになった。
「ラッキーだった。チャンスはイーブンにあると思っていた。神様が最後まで(我々を)見捨てていなかったということですね」と、五洋建設・左瀧監督は語り、初勝利の余韻を噛みしめていた。
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