CENTRALの全勝対決。ディビジョン優勝を賭けたオンワードスカイイラークス(ON−SKY)とオービックシーガルズの一戦は、ターンオーバーが相つぎ、攻守が激しく入れ替わるめまぐるしい試合展開。
その中で着実に得点を重ねたON−SKYが17−6で勝利を収め、2年連続のディビジョン王座に輝いた。
試合開始早々から、オービックディフェンスが前評判通りの積極果敢なブリッツディフェンスでON−SKYのQB冨澤に襲いかかる。
「最初からプレッシャーが来て、正直ビビってしまった」(QB冨澤)。さすがのXリーグレコードパッサーも、このディフェンス攻勢には照準が狂い、思うようにパスが投げられない。
このパスの乱れに乗じて、オービックDB久乗が敵陣深いところでパスインターセプトを奪う。
敵陣25ヤードと願ってもないチャンスにオービックは、ボールを持ったRB白木が、OL陣の後ろにしばし隠れてから走り出すというトリックプレーで一発TD。TFPのキックは失敗するが、6−0と先制する。
しかしON−SKYディフェエンス陣にもビッグプレーが生まれる。オービックQB高橋(大)からWR前川にパスが決まったところで、DBミッチェルがファンブルフォース。こぼれたボールをLB石橋がしっかり確保し、敵陣26ヤードとチャンスを作る。
ここはOL陣がしっかりブロックして、RB加畑のランを軸に陣地を進め、最後もRB加畑が押し込んでTD。TFPも決まり7−6と逆転に成功。
2Qにも、ON−SKYはLB城ヶ滝のインターセプトから得たチャンスで、QB冨澤からWR浦へのロングパスが決まり、ゴール前26ヤードと一気に得点圏へと陣地を進める。
オービックディフェンスの踏ん張りでTDには至らなかったものの、K大谷のFGへと繋げ、10−6とリードを広げた。
対するオービックも、QB高橋(大)のパスやRB古谷、米田のランなどで陣地を進めるものの、前半だけでも4つの被インターセプトやファンブルロストが出てしまい、オフェンスがリズムに乗りきれない。
後半最初のシリーズ。ON−SKYオフェンスが落ち着きを取り戻す。
今度はRB杉澤のランをキーにして、連続ダウンを更新。ハーフライン付近まで進んだところで、QB冨澤からWR井本へ51ヤードのロングパスが決まりTD。
TFPのキックも成功し、17−6とON−SKYがオービックを突き放す。
追いかけるオービックも3Q8分19秒、自陣20ヤードからドライブを開始。
QB高橋(大)からWR水口、RB米田へのパス、RB古谷のランなどで次々とダウン更新。Qタイムを挟んでRB米田へのロングパスが決まり、一気にゴール前1ヤードへと押し寄せる。
しかしこのエンドゾーン手前で痛恨のファンブルロスト。13プレー、79ヤードのロングドライブを実らせることが出来なかった。
結局、この後は両チームのディフェンスが健闘し、効果的なオフェンスが出ないまま試合終了。ON−SKYがディビジョン優勝を手にした。
「オービックからの1勝は大きい、自信につながる。今日はディフェンスの頑張りに感謝、キレた方がやられるという状況で、最後まで集中力を途切れさせずよく我慢した」と、選手達を称えるON−SKYの野田監督。
また「いまの時点で使えない選手がいない、と云うコンディショニングを実現してくれているトレーナー達が、本当にいい仕事をしている」と、チームスタッフ達の優れたシャドーワークを褒め称えた。
「スコア以上に悪い内容。ターンオーバーバトルで負けたことに尽きる」と、オービックの大橋ヘッドコーチ。
「ボールへの執着心を含め、詰めの甘いところの理由を考えて、きちんとリセットして次に臨む」と、自らのミスから自滅したゲームを教訓にチームの立て直しを誓った。
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