Xリーグ2004のリーグ最終戦。五洋建設パイレーツとIBMBigBlueの一戦。
五洋建設は昨シーズン、Xリーグ復帰初年度ながらもディビジョン3位の好成績を残したが、今シーズンは接戦をあと一歩のところで逃し、最終節を待たずして入替戦出場が決定してしまっている。しかしここでなんとか1勝して来季につなげたいところ。
IBMは、第1試合のオール三菱ライオンズと学生援護会ROCBULLの対戦が引き分けに終わったため、このゲームに勝てば、初のディビジョン3位が決定することから、勝ちにこだわりたい試合であった。
試合は終始集中力を途切れさせることなく、勝利への執念に勝った五洋建設が32−3でIBMを下し、来季へとつながる貴重な白星をもぎとった。
IBMの先発はQB岡村。ファーストシリーズはパントに終わったが、続く五洋建設のシリーズで、QB君川がら放ったパスをIBMのDB元野がインターセプト。敵陣13ヤードという好フィールドポジションを手に入れる。
しかしここは五洋建設LB矢作らが激しいラッシュ、エンドゾーンに近づくことができない。結局FGを成功させるに止まり、3−0とIBMが先制する。
五洋建設も反撃に出る。キックオフのボールをKR林がリターンTDに結び付け、一気に逆転。7−3と試合をひっくりかえした。
さらに次のオフェンスシリーズでは、6分38秒の息の長いドライブを展開し、最後はQB君川からWR樫村へTDパスがヒット、追加点をあげる。
「今日の目標は2つ。勝つことと、(RB古谷とTE二宮に)タイトルをとらせること」と五洋建設の左瀧監督。
この日はオフェンスの軸をRB古谷のランと、TE二宮へのパスに絞り、着々とゲインを重ねてゆく。第2Q残り48秒には、QB君川からWR海道へのTDパスがヒット。IBMを19−3と引き離し、前半を折り返した。
後半に入っても、五洋建設の集中力は途切れることがなく、果敢に攻めつづけ追加点を重ねてゆく。4Qに入ってからは、新人QB水野からWR松下へのTDパスもヒットし、来季へとつなげた。
なんとか追いつきたいIBMであったが、五洋建設ディフェンス陣の隙をつくことができず、追加点を奪うことはできなかった。
結局、試合は32−3でタイムアップ。開幕戦以来、苦汁を味わってきた五洋建設にとって、今季初白星となった。
またRB古谷はEASTの個人記録ランキング・ラッシング部門で逆転の1位。TE二宮はレシービング部門で、2年連続の1位に輝いた。
試合後、五洋建設の左瀧監督は「とにかくうれしい。今シーズンは苦しいときもあったが、キャプテンの高岸(LB)がよく引っ張ってくれた」と満面の笑み。
「入替戦はとにかく勝つ。もう1試合できるということは、さらに上手くなれるチャンスだと捉えたい」と、X生き残りを賭けた最後の戦いにポジティティブな姿勢で臨む。
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