FINAL6東日本会場での初戦は、東京ドームでのナイトゲーム。
接戦が予想されたこの一戦だったが、チームの良い部分を遺憾なく発揮した鹿島ディアーズがFINAL6初戦敗退の呪縛を裁ち切り、オンワードスカイラークス(ON−SKY)に完勝。FINAL6準決勝進出を決めた。
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ON−SKYのキックで試合が開始されると、鹿島は1stプレーでQB尾崎のプレーアクションからのキーププレーをチョイス。
「森さん(ヘッドコーチ)の分析どおり。よく決まりました」とQB尾崎。これが40ヤードのロングゲインとなり敵陣へ。
最終的にこのシリーズは44ヤードのFG失敗に終わったが、若きエースのビッグプレーがチームに勢いをもたらせた。
試合が動いたのは次の鹿島のオフェンス、WR関澤へのパスで敵陣に入ったものの、得意のランプレーでゲインが奪えず3rdダウン7となる。
ここでQB尾崎がスプリントアウトからのスクランブルで1stダウンを獲得、流れを引き寄せると得意のランプレー中心に展開し、RB池場が中央を抜けてTD。先制点を奪う。
何とか点差を詰めたいON−SKY、続くオフェンスではベテランRB加畑の力強いラン、QB冨澤からTE武井へのパスなど、よいリズムで敵陣23ヤードまで攻め込む。
しかし、ここで手詰まり感が出る。WR浦からRB加畑へのトス、QB冨澤のQBパワーと、スペシャルプレーを2プレー行うも思うようにゲインできず、3rdダウン4となったところでタイムアウト。
RB加畑のランに勝負をかけるが、鹿島LB牧内、岡橋らがロスに追い込み、さら4thダウンでのFGをDL金がブロック。完全に流れは鹿島へ。
FGブロックで得た良いフィールドポジションでの鹿島オフェンス。
得意のランでコンスタントにゲインするが、敵陣33ヤード、3rdダウン1いう勝負のシチュエーションでのQBスニークは、ボールが手に付かず決まらない。
しかし続く4thダウンで、鹿島はギャンブルをチョイスすると、WR板井へのパスでダウン更新。最後は、WR植村へのパスでTDを奪い、追加点をあげた。
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何とか食い下がるためにも、次のシリーズでは絶対にTDを奪いたいON−SKY。しかし鹿島ディフェンスはDLのプレッシャー、LBの早い寄り、DBのタイトなカバーでそれを許さない。
さらに前半終了間際には、ON−SKYが時間を止めるために狙ったアウトパターンのパスを、鹿島DB佐野が鮮やかにインターセプト、そのままエンドゾーンまで駆け抜けダメ押しのTDを奪う。
チャンスにベースプレーでTDを奪った鹿島、スペシャルプレーでリズムを崩したON−SKY。絶対にとりたいところで取った鹿島、取れなかったON−SKY。
前半で、両チームの明暗がはっきりと別れた。
後半、鹿島のキックオフで試合が再開されると、ON−SKYのKR杉原が気を吐き、84ヤードを一気に駆け抜けてTD。反撃の狼煙を上げたと思われた、が流れは変わらない。
鹿島の強力ディフェンスの前にON−SKYは攻め手を欠く状態。3Q終盤から4Qにかけて、ゴール前6ヤードに迫ったものの、最後は4thダウンギャンブル失敗。反撃もここまでとなった。
一方、鹿島はボールコントロールをしながら、FGで得点を追加。完全にゲームをコントロールした。
試合後、鹿島の森ヘッドコーチは「今日はディフェンスが頑張った」と述べた上で、「自分たちの力を出し切り、自分たちのプレーをすることができた」と試合を振り返った。またQB尾崎を「エースに相応しい活躍」と評価した。
心技体とも、学生時代の頃以上だというQB尾崎は「これからも全部勝たないと今日の勝利も意味をなさない。最後まで勝ち続ける」と、次の戦いに向けて気合いを入れる。
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