「パスへのプレッシャーが強いので、ランを中心にプレーを絞ってオフェンスを組み立てる」(大橋ヘッド)という作戦が功を奏し、後半最初のシリーズでRB古谷のラン、WR水口へのパスなどで敵陣23ヤードまで迫り、K金親が42ヤードのFGを成功させ、3−16と反撃の狼煙をあげる。
この日は大活躍でMVPを獲得したDLジャクソンが、今度はパントの体制に入ったP太田をタックル。敵陣3ヤードからのオフェンスとすると、RB松田がオープンフィールドを駆け抜けてTD。10−16と、オービックが6点差に詰め寄る。
しかし、ここからは再び両チームのデイフェンスが踏ん張り、パントの応酬となったまま最終の4Qへと突入する。
この状況を打破したのはオービック。RB白木、RB古谷のランで続けてロングゲインを奪うと、徐々に落ちつきを取り戻してきたQB龍村がプレッシャーを浴びながらも、プレーアクションパスをWR水口にヒットさせTDを奪う。ここでTFPのキックが外れ、約8分を残したところで、16−16の同点となる。
流れを掴んだオービック。続くオフェンスでもRB古谷のランでゲインを重ね、敵陣27ヤードまで迫ると、最後はK金親がTFPの失敗を挽回するかのように、46ヤードのFGを成功させ、19−16。残り時間1分45秒で、オービックがついに逆転に成功する。
松下電工は最後の2ミニッツオフェンスでQB高橋(公)が登場。最高の見せ場となったが、敵陣45ヤードまで攻め込んだところで、QBサックを浴びてファンブル。
こぼれたボールをオービックLB中井が、エンドゾーンまで持ち込んでダメ押しのTD。前半にやられたことを全てやり返したオービックが勝利を掴んだ。
試合後、大橋ヘッドコーチは「前半は集中しきれなかった。後半に点が取れたのはたまたまだが、自分たちのやりたいフットボールができて良かった」と振り返った。また、ライスボウルに関して「まだ全く準備をしていないが、今シーズンを全勝で終わりたい。関東のフットボールファンには楽しんでもらいたい」と、久々の関東対決に意欲を見せる。
一方、松下電工の村上監督は「後半の守備力など、15分Qを選手が耐えきれず、選手層の違いを見せつけられた」と、後半の流れを振り返る。「特に3Qのオフェンスが全くダメだった。来季はもう少し点を取れるチームにします」と、出直しを誓った。
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