パルサーズ、際どい試合制して2勝目
前節、雨中のすかいらーくスカイラークス戦を落とした日産プリンス東京パルサーズと、ここまで1敗1分と白星のない東京三菱銀行センチュリアンズの一戦は5日午後4時、東京ドームで行われた。
試合は互いのディフェンスが持ち味を最大限に発揮した守備戦の様相。最後はわずかなミスが勝者と敗者を鮮明に色分けした。
互いに無得点で迎えた第2Q、先制したのはセンチュリアンズ。敵陣42ヤードからの4シリーズ目、QB松平がWR杉原、RB酒井らへショートパスを通してじりじりと前進していく。
そして敵陣10ヤードでの3ダウン2という勝負所になると、代わったQB大西がオープンを走ってファーストダウン。結局TDこそ奪えなかったが、7分25秒にK山岸が18ヤードのFGをきっちりと決めて3点をものにした。
センチュリアンズは第3Q立ち上がり、過去2試合で失点9の鉄壁守備がビッグプレーを見せる。
パルサーズの自陣26ヤードからの第1プレー、QB岡本とFB氏家のハンドオフが合わずにファンブルすると、センチュリアンズの主将LB川井(肖)がこれをリカバー。
この絶好の位置からの攻撃に、QB松平がWR渡辺(憲)に10ヤードのパスを決めてダウンを更新。さらにゴール前10ヤードからの4ダウン3でFG体型からホルダーに入った松平が、エンドゾーン内に走り込んだTE耳田にパスを通すというスペシャルプレーで9−0(TFPのキック失敗)と主導権を握った。
先発QB板坂が第1Q終盤に右手を痛めて退いた後、なかなかリズムに乗れないパルサーズは、第4Q早々にディフェンスが敵陣9ヤードでファンブルをリカバーすると息を吹き返す。
FB勇の2度の中央ダイブは止められたものの、第3ダウンでQB岡本がオプションキープで左オープンを走り8ヤードをゲイン。4ダウン1のギャンブルも岡本が右のオープンを回り切りTD。TFPのキックも決まって7−9と追い上げ態勢に入った。
さらにパルサーズは守備陣が相手のミスを大チャンスに変える。センチュリアンズは自陣32ヤードでQB松平がRB浦田へのバックワードパスを試みたが失敗。しかしこれはファンブルと判定され、フィールド上に転がったボールをLB大久保が抑えて敵陣29ヤードで攻撃権を奪う。
そして7分43秒、3ダウン7からフリーズオプションのピッチを受けたTB田辺が26ヤードを独走してTD。14−9とこの試合初めてリードすると、その後のセンチュリアンズの反撃を守備陣が断ち切り、2勝目を手にした。
際どい試合を制したパルサーズの石原ヘッドコーチは「久しぶりに疲れました。少ないチャンスで点を取ろうというプラン通りの展開。QB岡本はすごく冷静にやってくれた。なんとか(ファイナル6争いに)残れてよかった」とほっとした表情。
対照的にあと一歩のところで勝利を逃したセンチュリアンズの柴山ヘッドコーチは「弱いチームはミスしたら勝てない」と肩を落としていた。
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