開幕以来、無難に2連勝したアサヒビールシルバースターと、ここまで2連敗の三和銀行ラークヒルズ。
この対照的な両チームが東京ドームで対戦。試合は大方の予想通り、シルバースターが攻・守・蹴、全ての面で圧倒。34−0と今季2度目の完封で3勝目を手にした。
シルバースターは、試合開始直後の攻撃シリーズこそ三和銀行ディフェンスの果敢なブリッツの前にアサイメントを崩され、パントに追い込まれたものの、続く三和銀行のファンブルから得た敵陣11ヤードからの攻撃機会を、RB中村の脚力を活かしたプレーであっさり先制に成功する。
この日のシルバースターは、中村、斉藤、阿部らRB陣の脚力を活かしたパワー、スイープ等のランプレーを中心に据え、時おり効果的にプレーアクションを織り交ぜる粘り強い攻撃を展開してゆく。
その特徴が良く出ていたのは第2Q、14−0と突き放した次のシリーズ。このシリーズでシルバースターは自陣21ヤードから、11プレーでTE友添のTDに帰結し、21−0とするのだが、その内訳はランが6プレー、パスが5プレー。しかしながら、5つのパスプレーのうちプレーアクションパスが3プレーという内容だった。
この日はエースQB金岡の調子も良く、12試投と回数は少ないものの9回成功117ヤード、3TDの成績。第3Q最初のシリーズで、TE橋詰にスローバックで30ヤードのTDパスを決め27−0(TFP失敗)。その後シルバースターは、QB金岡をベンチに下げ温存し、以降はQB明堂、東野を交互に出場させる余裕の展開だった。
一方の三和銀行は、オフェンス陣の不振が相変わらず。先発QB横山の率いるフレックス・ボーンからのオプションで今季好調のシルバースターディフェンス陣の切り崩しを狙ったものの、立ちあがりの2シリーズでいきなり連続ファンブルロスト。
オフェンスラインの間隔が広すぎるためか、ディフェンスラインとのミスマッチのためか、意図するプレーの形になる前にタックルされるシーンがしばしば見られた。
後半途中でベテランQB佐藤が出場し、プロI、ショットガンからリズム良く、ダウンを数回更新するものの、得点には結びつけることが出来ず、結局完封負けを喫してしまった。
試合は、シルバースターが第4QにQB明堂のロールアウトからのスクランブルで1TDを追加、34−0のスコアで終了した。
試合後、シルバースター阿部監督は「チームは順調に仕上がってきている。今日の出来なら、90点くらいあげてもいい」と完封勝ちに満足げな表情を見せ、次節に対戦する富士通に関しては「システムもきちんとしていて良いチーム。日本代表メンバーもいるし、全体的にレベルは上がっているだろう。楽しみにしている」と語った。
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