秋も深まった10月31日とは思えない暖かい日差しのさす横浜スタジアム。
99年Xリーグ公式戦最後となるこの日、すかいらーくスカイラークスと三和銀行ラークヒルズが対戦した。
今シーズン、ここまで不本意な成績に終わっている両者にとって、結果によっては入替戦出場を余儀なくされるだけに、この試合は絶対に落すことが出来ない重要なものだった。
1Q、キックオフ直後のシリーズ。すかいらーくはエースRB加畑にボールを集めてダウンを更新、三和銀行陣内に入る。
ここからRB小島が力強い走りを見せてゴール前に迫り、最後も左オフタックルから三和銀行のタックルを振り切ってTD。7−0と幸先の良いスタートを切った。
三和銀行もすぐに反撃に出る。佐藤(知)、横山、佐藤(敦)の3人のQBを使い分け、ショットガンからのパスとラン、通常のフォーメーションからのオプション攻撃を組み合わせて、すかいらーく陣39ヤードで1STダウンを獲得した。
しかし、ここですかいらーくディフェンスが奮起。DT中川がQBサックを奪うなど前進を許さず、結局、パントに追い込んだ。
すかいらーくにとって痛かったのは、今シーズン絶好調のRB加畑が3シリーズ目に脳震盪をおこして途中退場してしまったこと。
大黒柱を突然失ったことが士気にも影響したのか、オフェンスはその後精彩を欠き、試合は膠着状態に陥った。
重苦しい雰囲気に包まれた前半終盤、すかいらーくに“喝”を入れたのが32歳のベテランRB小島だった。
三和銀行のパントで自陣9ヤードに押し込まれた第1ダウン。チームのキープレーである左オフタックルプレーからスクリーメージを突破した小島は、スピードで三和銀行ディフェンスを振り切って91ヤードのロングランでTD。
結局、前半はすかいらーくが14−0とリードして終了した。
後半が始まり、必死の反撃を試みる三和銀行だが、すかいらーくディフェンスの前に攻撃がボールを進めることが出来ない。逆にゴール前からのパントをブロックされ、すかいらーくLB池田に10ヤードのリターンTDを許し、21−0とリードを広げられてしまう。
勢いに乗ったすかいらーくディフェンスは、さらに容赦なくプレッシャーをかけて再びパントブロックを奪い、敵陣6ヤードという絶好のチャンスをオフェンスにプレゼントする。
ここから3プレー目にQB山田がパス崩れからスクランブルしてTD。28−0として試合の流れをほぼ決定づけた。
その後、すかいらーくは4Qにも、1TDをマークして結局35−0で快勝。今シーズン2勝3敗でシーズンを終えた。三和銀行は5戦全敗となり、残念ながら入替戦に出場することが決定した。
すかいらーくの矢口・ヘッドコーチは「うちのランがでれば(今日は)勝てると思っていた。来年こそ、何がなんでも2位に入って、トーナメントに出られるようにしたい」と語った。
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