特に手薄となっていたディフェンスラインに、日産プリンスからDT藤井が加入したのが大きい。藤井の存在は、イタリアW杯戦士の主将DE佐々木、DT三好ら、生え抜きのベテラン達にも好影響を与え、吉野谷、島原、川野を含め、2ユニットを形成出来る陣容となった。
このDL陣の強化に伴い、今季真価を発揮したのがLB陣だ。
W杯出場の守備の要MLB中山を始め、朝倉、春日、秦、玉井、田村と経験豊富なLB陣は、ラン守備には絶対の強さを見せた。課題であったパス守備も、玉井が2インターセプトを決めるなど調子は上向きだ。
オフェンス陣に目を移すと、野村、小林ら2連覇を果たした主力RBの引退により、中村(友)にかかる比重は高い。今季は288ヤード、平均4.2ヤード、5TDと数字的には充分とは言えないが、記録以上に一回のタックルでは倒れない強靭さを増し、エースに相応しい勝負強さが光るシーズンだった。
鹿島戦では大事を取って欠場したが、プレーオフ第1ラウンドのオンワード戦に備え万全を期す構えだ。
攻撃の指令塔QB金岡は、今季は自慢の足を封印しチームプレイに徹した。今季のパス攻撃は、チームのリーディングレシーバー・新人TE橋詰(京大)を基点に、鈴木、稲垣、藤江らに効率的に投げ分け、669ヤード、7TDパスを稼ぎ出し、相変わらずの安定感を見せる。
毎年、あと一歩のところで大一番を逃し続けているQB金岡。残された課題は、東京スーパーボウルでの「勝利」のみである。
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