【RBの視野】 <図8>

 これまでのような例でRBは、何に注意してボールをキャリーするだろうか。前述のようにホールはA〜Bへと守備側の対応によって変化するのだが、RBは最初のポイントオブアタックをBギャップに置くべきである。

 図のように@内から外に向けて走るコースを変える場合よりも、Aのように外から内に変えた方が、コース変更後に効率的にゲインが狙えるからである。
 よってRBはスナップ直後にはポイントオブアタック周辺、Bギャップを見ている。その後DTの動きで真直ぐBギャップに飛び込むか、Aギャップにコースを変更するか決定しているのである。


【ゾーンブロックの長所・短所】

 ゾーンブロックが全てのプレーに用いられているわけでもないし、どんな状況でもゲインが狙えるような魔法のようなブロック方法であるわけでもない。
 実際にゾーンブロックの場合、攻撃ラインが誰をとるのか決まっていないため、個々の判断する要素が多分にあるため、思い切ったブロックがしづらい欠点がある。
 また、相手をキャッチしてから次の動きに移るため、相手をキープし続けなければならず、サイズの小さいラインにとっては厳しい面もある。

 反面、守備にとってはボールキャリアーがどこを走るのかブロックからは判断しづらく、理論上一人の守備メンバーが2つのホールを見なければならないという状況を作ることが出来るので、攻撃にとっては有利と言える。



【Xリーグで良く見られるゾーンブロックを用いたプレー】 <図9>

 現在、ディフェンスの大きなトレンドになっているのは「シェード」と呼ばれる考え方である。
 これはOLに対してDLが正対するのではなく、半身ずれている付きかたである。
 この図でいえば、黒く塗りつぶしてある方向にDLがシェードしていることになる。例えば、真中のDLはセンターの左側に半身ずれてセットしているということである。

 このようなディフェンスに対して、左側にゾーンステップを踏むのが今Xリーグで多く見られるプレーの一つである。

 この場合。
 ○右のガード、タックルで右のDT、LB
 ○左のガード、タックルで左のDE、LB
 ○センターひとりで左のDT
 ...をブロックすることになる。

 つまりRBはセンターの取る方向によって左のBギャップを走るか、右のAギャップを走るかを決定するのである。

 ゲームで活躍したRB達がインタビューで「OLのお陰です」と語っているのをお訊きになられた経験があるだろう。
 この言葉の示すとおり、このようにOLとRBは一体となって相手ディフェンスに立ち向かい、ランプレーを作り上げているのである。



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