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X League最新ニュース

クロストーク企画「時代を超えて流れ続ける、オレ達のISM【エレコム神戸ファイニーズ×関西学院大学篇】」(3/3)

’15.11.04

 

 

「理想のディフェンスを1から自分で作れる、関学みたいなチームに入りたかった」(池田)

 

 

作道:結局、ライスボウルでは最後までやり切りましたよね。

 

池田:ぜんぜん動けなかったけれどもね。そもそも、手術をするかしないかとなった時、治療に専念したら作戦を考えられなくなるから、どうしたらええんやろ、と思った。そこで堀口コーチが「少しでも試合に出る可能性が上がるなら、手術してこい」と言ってくれて、手術に臨むことができた。

 

作道:そうだったのですか。

 

池田:ライスボウルの時も、自分の中では「俺が出るしかないやろ」という気持ちはあった。その反面「出られるとしても100%はできない。そんな状況で出てもいいんかな? 200人の部員を背負っているのに、自分のわがままで出てもいいんかな?」という気持ちもあった。そこで堀口コーチが「1年間、お前が作ってきたディフェンスやろ? お前のやりたいようにやれ。ぜんぜん動けなくて負けて、お前のせいだと周りの人が思っても、一緒にやってきたメンバーは誰もそんなこと思わんし、俺も思わん。だから、やりたいようにやれ」と言ってくれて、出ようと決心がついた。

 

作道:最後だから、というのもあると思いますが、ケガを押して頑張る気持ちはどこから出てくるんですか。

 

池田:ディフェンスリーダーとして1年やってきて、自分がすべてを作り上げたという気持ちがあった。作戦も、プレースタイルも。それと俺達はライスボウルに勝つために1年間取り組んできたわけで、それを自分がプレーで示せないというのは正直、考えたこともなかった。だから、足首が折れたぐらいで気にせんでええやろ、いけるやろ、という気持ちだった。確かにケガをした瞬間は泣きましたし、落ち込みました。でも、どこかで吹っ切れた。確かに痛い。でも痛いだけやろ、気持ちが入ったら、痛くても試合になったら絶対にいける。そう思った。

 

作道:雄紀さんの代のチームのようなディフェンスを作りたい。それが今年の4年生がずっと言っていることです。全員が一体になっていたし、4年生がしっかり結束してみんなでディフェンスを作っていた。4年生になると自分のことに精いっぱいになってしまう人が多い中で、それができていた。だから今、あの時のディフェンスチームを目指しています。雄紀さんが4年生の時の姿を今の自分と照らし合わせ、お手本にしています。ところで雄紀さんXリーグでフットボールを続けようと思ったのは、どういう理由からですか。

 

池田:東京の強豪チームのいくつかから声をかけてもらっていたのだけど、どこでやりたいか決まらなかったので、1年間関学でコーチやった。それで今年からエレコム神戸ファイニーズで始めたのだけど、自分には個人としてずば抜けたいとか、日本一の選手になりたいという気持ちよりも、関学の4年生でやっていた時のような、1から自分の理想のディフェンスを作り上げることのできそうなチームに入りたかった。そこで考えたのがファイニーズだった。関東の強豪チームはどこもチームとしてのやり方が確立されているし、ちょっと違う。その点、ファイニーズは発展途上やし、関学OBも多い。だから学生時代のようなチームを作っていけるのかな、と。まだまだこれからのチームやけどね。作道の就職先は商社と聞いたけれども、フットボールは続けるの?

 

作道:まだ何も考えていません。やるもやらないも、何も。

 

池田:今は考えなくていいよ

 

作道:終わったらゆっくり考えます。Xリーグを見ていると、僕らとしては、社会人は倒すと決めた相手やけど、どんどん強くなっているなと毎年感じます。外国人も今までとは違うすごいレベルの選手が入り始めて、どうやって勝つねん? どこまで強くなっていくんや! と驚かざるを得ない現状がある。今、どこのチームもかなりのレベルの外国人選手を獲っている。以前はオービックの1強だったけれど、今はそれが変わって来ている。でも学生が倒さな、フットボールが盛り上がらないと思っています。現状では学生が勝つレベルじゃない。普通にやっていたらどう考えても負ける。だから、1日1日やり切る。それしかない。やり切らなかったら負けるし、やり切ったって勝てるかどうかわかからない。そんな状況の中で最高のプレーをするにはどうするか。それを毎日考えています。

 

池田:社会人を倒すには、どうすればいいのか。俺も勝ったことがないのでわからないけれど、社会人でフットボールをやって思うのは、かけられる時間がぜんぜん違うってこと。学生はそこで勝負するしかない。能力では絶対勝てないけれど、相手の映像を見る時間は学生の方がずっと多い。作戦や傾向、選手のクセなどを研究できる時間は十分ある。俺らが働いている間中ずっと相手の研究ができるのだから、そこで勝負する。それしかないね。

 

(終わり)

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