【WEST】アサヒ飲料-エレコム神戸 試合レポート
’14.09.14
ファイニーズ・レジスタンス。古豪復活にWEST戦線は大波乱
前節で優勝候補のパナソニックを延長タイブレークの末に破り、勢いに乗るエレコム神戸ファイニーズと、ここでエレコム神戸にしっかり勝利し、ファーストステージを優位に進めたいアサヒ飲料チャレンジャーズが対戦した。
今季のエレコム神戸はディフェンスの強さが際立っている。
この試合でも、アサヒ飲料オフェンスを2シリーズ続けてダウン更新させないディフェンスでリズムを作ると、自陣24ヤードからの攻撃で、QB#6フナキがQBサックされるも、相手のフェイスマスクの反則で15ヤード前進してダウン更新。
「デザイン通りのプレー」(エレコム神戸・狩野ヘッドコーチ)と、そのQBフナキがオープンを走り、サイドライン際をエンドゾーンまで走り切ってTD。TFPキックは失敗するものの、6-0と先制点を奪った。
エレコム神戸は、その次のシリーズでも敵陣20ヤード付近まで攻め込んだが、K#80松岡(隼)がFGトライを失敗。
しかしここでディフェンス陣がチャンスを作る。その直後のアサヒ飲料オフェンスをしっかりと抑え、パントのラッシュでプレッシャーをかけ、アサヒ飲料P#5宮沢がボールを蹴れず、そのまま敵陣16ヤードからの攻撃権を奪い取る。このチャンスに、QBフナキが今度はTE#13松田へTDパスを決め13-0とリードを広げた。
さらにエレコム神戸は、次の自陣27ヤードからの攻撃で、RB#23金城が大きく前進し、敵陣36ヤードへ。ここからQB#11糟谷がWR#83東内へのパスを決め敵陣20ヤードとすると、RB金城のラン、RB#33長谷のランでゴール前6ヤードと迫り、最後はK松岡(隼)が23ヤードFGを決め、16―0とリードをさらに広げた。
前半でなんとか点差を詰めたいアサヒ飲料は、前半終了間際に、タイムアウトを使って攻撃時間を残すと、PR#23林の16ヤードリターンで、残り43秒からゴール前17ヤードの攻撃権を得る。
ここでQB#2加納がWR#7森へパスを決め、ゴール前10ヤードまで迫ったが、ここからパス失敗やQBランも不発に終わり、最後はK#8崔が、29ヤードFGを決、3-16で前半を折り返した。
後半、アサヒ飲料がいきなりビッグプレーを見せる。エレコム神戸の自陣30ヤードからの攻撃で、QBフナキが投じたパスを、アサヒ飲料DB#1脇がインターセプト。そのまま35ヤードを走ってTD、10-16と追いあげに成功する。
これで流れを掴んだアサヒ飲料。続くエレコム神戸オフェンスもパントに追い込み、P#11糟谷が蹴ったボールを、アサヒ飲料LB#9星田がブロックし、敵陣35ヤードからの攻撃権を得る。
ここで起用されたQB#10林が、キーププレーを連発、ゴール前13ヤードまで迫る。しかしTDを狙ってQB林の投じたパスは、エレコム神戸DB#7中谷にエンドゾーン内でインターセプトされてしまう。
アサヒ飲料は、次のエレコム神戸オフェンスの4thダウンギャンブルをしっかり抑え、敵陣30ヤードからのオフェンスとなったが、ここでまたもやQB林が、エレコム神戸DB#12重田にインターセプトされ、得点には至らない。
一度は掴みかけた流れを手放してしまったアサヒ飲料に、その後良いところが全くなく、オフェンスを進めることができない。一方のエレコム神戸も、再びK松岡(隼)が37ヤードFGトライを外してしまい、セーフティリードを奪うことが出来ない。
そのまま試合終了の時間が近づき、エレコム神戸は自陣7ヤードからの攻撃で、4thダウンまで追い込まれるが、ここでP糟谷が時間を上手く使いながら自らエンドゾーンでニーダウンして、セーフティ。これで逆にアサヒ飲料が追い込まれる結果となる。
残り時間1分24秒。アサヒ飲料、最後の攻撃もパスの失敗が続き、結局16-12でエレコム神戸が開幕2連勝を果たした。
ファイニーズがチャレンジャーズを破ったのは、Xリーグ2年目の1997年以来(14-0)のこと。実に17年ぶりの快挙に、フィールド、ベンチ、スタンドの歓喜が一体となって揺れた。
エレコム神戸の狩野ヘッドコーチは「アサヒ飲料はディフェンスの中の選手が強いので、工夫してプレーを組み立てた。(QBの)フナキも準備していたプレーを出すことができた。RB金城は、昨年一度は引退を決めた選手だったが、チームに残ってくれて、この場面で活躍してくれたことが嬉しい」と、満面の笑み。
しかし「今日はキッキングゲームがボロボロだった。こんなことではセカンドステージを戦えない。しっかり立て直したい」と、快勝にも気を引き締め直していた。
一方、アサヒ飲料の福田ヘッドコーチは「QBは林の予定だったが、練習で身体を痛めたので急遽加納を使った。ゲームプランの修正などもあって攻めきれなかった」と、振り返る。
流れを掴みきれなかった後半は「たたみ掛けることが出来なかった。(インターセプトは)時間もあるのでTDを狙わなくてもよいと話していたが、もったいないプレーになってしまった」と悔やむ。「自信を失わないようにしながら、一戦一戦、しっかりやれることをやっていきたい」と、出直しを誓った。