解説記事
グリーンボウルトーナメント 5月3日第一試合
松下電工 21−0 ファイニーズ

ディフェンス陣の得点で松下電工が勝利

 朝方の曇り空が徐々に晴れ渡り、絶好の観戦日和となった5月3日。新緑も鮮やかな大阪花博の記念公園内にある鶴見緑地球技場で、2000年のグリーンボウルトーナメントが幕を開けた。

 開幕を飾る好カード。松下電工インパルスとファイニーズフットボールクラブの一戦は、戦前の予想通り、互いのディフェンスが相手オフェンスを上回る展開の守備戦となった。
 第1Qは互いに手探り状態。ゲームが動いたのは第2Qに入った直後だ。自陣30ヤード付近からファイニーズが蹴ったパントのボールをPR樫野が、相手カバーを2人、3人とかわしながら一気に75ヤードのリターンTD。7−0と松下電工が先制した。

 後半に入っても、ディフェンシブなゲーム展開が続く。「オフェンスが先に切れるウチの負けパターン」と村田ヘッドが振り返るように、第4Qの4分過ぎ、ファイニーズに手痛いミスが出る。QB義永が自陣30ヤード付近で投げたパスを松下電工DB高橋(英)がインターセプト。このゴール前10ヤードのチャンスに4度のランプレーで攻撃、最後はRB樫野が豪快に飛び込んでTD。14−0と松下電工が点差を広げる。
 さらにプレー再開直後のファイニーズの攻撃。同じように自陣30ヤード付近からQB義永が投げたパスを、今度はLB杉本(智)が再びインターセプト、そのままエンドゾーンに持ち込んでTDを奪い。21−0と試合をほぼ決定づけた。

 結局、ディフェンスによる得点で勝利を得た松下電工だが「オフェンスはまだまだ期待出来る状態ではないが、練習レベルの事は出すことが出来た」と村上監督。「チームの中でも勝利を知らないメンバーが多い。この春は勝ちにこだわって、優勝を狙っていきます」と力強く締めくくった。



グリーンボウルトーナメント 5月3日第二試合
マイカル 33−0 井内盛栄堂

新生マイカルが完封勝利でスタート

 クラブチームとなって門出の試合となるマイカルベアーズ。今年創部30周年を迎え、記念すべき年の最初のゲームとなる井内盛栄堂ブラックイーグルス。それぞれの想いを抱いて臨んだ5月3日の第二試合。
 先制したのはマイカル。井内盛栄堂QB杉谷が自陣12ヤード付近からパスを投じるべくドロップバックしたところへ、DL細辻が猛然とラッシュ。エンドゾーン内でQBサックに仕留め、「ウチのチームで(セーフティは)珍しい」と肥田代表も語る、新生マイカルの初得点はセーフティによる2点。

 続く攻撃で、今度はオフェンスが見せ場をつくる。QB辻からWR東野へのパス、RB杉山のランなどでゴール前16ヤードまで進むと、最後は3年ぶり復帰のRB徳重が相手ディフェンスをスピードで抜き去ってTD。9−0とリードを広げる。
 井内盛栄堂もルーキーQB中林(桃大)を序盤から投入。持ち味のオプションプレーをRB山本、新人・上栗(桃大)らと展開するが、マイカルフロント陣の壁が破れず、ファーストダウンを奪うのがようやくと言った状態。
 逆に2Q4分11秒からのマイカル。自陣24ヤードからのオフェンスを4分43秒11プレーで丁寧にドライブ。QB辻からWR前波へのTDパスで締めくくる。

 後半に入っても、第3Q開始のキックオフをKR波武名が75ヤードのビッグリターン。これをWR菊地へのTDパスにつないで、確実に加点。
 さらにSF松井が奪ったインターセプトからのチャンスも、エースRB波武名のランを軸に進め、最後は再びWR菊地へTDパスが決まりだめ押し。終了間際にもファンブルリカバーから得たチャンスを、RB波武名がエンドゾーンに駆け込んで初勝利に花を添えた。

 「最初の一歩を勝利で踏み出せたことは大きい」と肥田代表。次は真価が問われる松下電工戦。「いまのままではヤラれる。しかし次は勝つことを目標にしたい」と意気込んだ。



グリーンボウルトーナメント 5月4日
イワタニ 19−0 フューチャーズ

後半にイワタニオフェンスが本領発揮

 快晴の5月4日、鶴見緑地球技場。イワタニサイドワインターズとフューチャーズの一戦は、昨秋の入替戦と同一カードとなった。このときは45−8でイワタニが圧勝している。

 開始早々の2プレー目。フューチャーズのQB渋谷が自陣27ヤードから不用意に投げたパスを、イワタニDB加藤がインターセプト、そのままエンドゾーンに駆け込んで先制TDを奪う。
 このままイワタニペースかとも思われたが、QB松本を軸にしたオフェンスが今一つかみ合わない。互いに拙攻が目立つ展開で前半を終える。

 「なんせ今年初めての試合。後半からようやくオフェンスの感覚が掴めた」とイワタニの森下監督。後半にはいるとイワタニオフェンスが本来の調子を取り戻す。3Qの最初のシリーズ、自陣19ヤードからのドライブを、じっくりと7分間13プレーのボールコントロールでTDに結びつける。
 フューチャーズも、後半から交代出場したQB織田を軸にフレックスボーンオフェンスを繰り出しドライブを始めるが、得点には至らない。
 結局、イワタニはその後も、QB松本のオプションキープ、RB廣長、木下らのラン、TE越智へのパスなどでゲームを支配。2本のFGを追加して19−0と完封で勝利を飾った。

  「小手先にこだわらず秋を見据えていきたい」と森下監督。地力はあるが接戦でゲームを落とすという昨年の反省から、今季はじっくりとチーム作りに取り組んでいる。



大会概要に戻る