いよいよ20世紀最後のXリーグが開幕する。
WESTでは、優勝候補筆頭のアサヒ飲料チャレンジャーズを中心に、社会人リーグ創設当時から支えてきた古豪チームの数々が、それぞれのプライドをかけてリーグ戦を展開する。
各チームがどのような戦いを見せていくのかを予想してみよう。
他チームを大きく引き離していると前評判の高いアサヒ飲料チャレンジャーズ。
その一番の理由は強いディフェンスだ。チーム内でも怪我人さえ出なければ心配なし、との声もあるほどで、主戦・LB山田を中心に今シーズンも安定した力を見せてくれるだろう。
オフェンスでは、リクルートから移籍してきたQB新生と、日大出身の新人QB桂の起用に注目してみたい。WEST制覇だけではなく、ファイナル6で勝ちぬくための攻撃力アップのためには、この2人の力が必要となるからだ。
対抗1番手は、松下電工インパルス。こちらもDE脇坂がうまくディフェンス陣をまとめ、春も安定した力を見せた。
問題となるのがオフェンスだが、RBには樫野や、グッドウィルボウルで活躍した俊足RBの小林などタレントが揃う。それを、QB高橋公一がどのようにコントロールしていけるか。また新人の高橋幸史(近畿大)も早く攻撃スタイルに馴染みたい。
選手もファイナル6に出場できなかった昨年を悔やんでおり、精神面でも違った戦いを見せてくれるだろう。
チームの状況が未知数なのが、マイカルベア−ズ。クラブチームとなって初めて迎えるリーグ戦だけに、これまで多くの練習によって培われてきたモメンタムをどのように維持していけるのかが最大のポイントになりそう。
ただし、RB波武名、杉山ら能力の高い選手のチームであることは間違いなく、波に乗れば一気に勝ちつづけるだろう。
ディフェンス陣では、DB市川と新人の古庄(立命館)らのレベルの高いフットボールを楽しみたい。
これに続くのがイワタニサイドワインダーズか。年々チーム力はアップしていたが、この春にはアサヒ飲料を相手に善戦。敗れはしたものの、これまで課題とされていた攻撃のボールコントロールが達成されつつあるようだ。
オプションQB松本を軸にしたグランドアタックはさらに粘り強さを増した。ロースコアに押さえる力を持つディフェンスに、時間を上手く使うオフェンスが備われば上位進出も夢でなく、アサヒ飲料、松下電工と上位との対戦が続く序盤戦が勝負だ。
ファイニーズは新旧交替が進み、実戦でどこまで実力を発揮できるかが課題になりそう。グッドウィルボウルでは、2年目QBの荒木が2TDパスを演出するなど結果を残した。またチームを長年支えてきた「ダイナマイトバック」井場も健在だ。
厳しいチーム運営にも関わらず、ファイニーズでフットボールを続ける選手たちに最も必要なのは結果を出すこと。村田ヘッドコーチを中心にこの秋も着実にレベルアップしていきたい。
井内盛栄堂ブラックイーグルスも上位進出を虎視眈々と狙う。選手補強はもちろんだが、ここ数年取り組んできた体制の整備もほぼ終了、コーチ間での積極的な意見交換もなされるようになってきた。
ディフェンスでは、新人ながらグッドウィルに出場した福島(大経大)が自信をつけた。攻撃ではQBに中林(桃大)が加入して、エースQB杉谷とのスターター争いに注目したい。チーム創立30周年の節目の年、なんとか悲願のファイナル6出場を果たしたいものだ。
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