ともに3勝1敗で最終戦を迎えた富士通フロンティア−ズと、日産スカイライナーズが11月7日(水)東京ドームで激突した。
勝った方がFINAL6進出という状況で行われた今季最終戦は、戦前の予想通り1TDを争う好ゲームとなった。
前半は両者の気迫がぶつかり合う互角の展開。
富士通がインターセプトから掴んだ最初のオフェンスをQB中澤のパスで先制TDに結びつけたかと思えば、日産もQB岡本が効果的にプレーアクションパスを用いTDを奪い返す(TFPは失敗)。
第1Q終了間際、富士通が33ヤードのFGを決めて突き放したかと思えば、日産も負けじと第2Q終了間際に、やはり33ヤードのFGを決め、9−10と富士通がわずか1点のリードで前半を折り返す。
この日の富士通は「森本のランを(日産ディフェンスが)止めにかかってくることが判ってましたからね」というQB中澤の言葉通り、ショート、ミドルのパスを多用。
QB中澤も24試投18成功(75%)と落ち着いてオフェンスを指揮していた。
一方の日産はこの日もフレックスボーンからのオプションを軸にプレーを展開。
DT西、DE岡らを中心とした富士通ディフェンスの前に基軸となるダイブを止められる苦しい展開になったが、時折みせるQB岡本のプレーアクションや自らのキープで効果的にゲインを奪う。
後半に入り、先に得点を奪ったのは富士通だった。
なんとか日産を突き放したい富士通の後半最初のシリーズ。自陣34ヤードからのオフェンスを、QB中澤の丁寧なパスを中心に12プレーで敵陣1ヤードまで迫る。
最後はエースRB森本が飛びこんでTD。17−9とその差を8点とする。
なんとか追いすがりたい日産はこの直後のシリーズで意地を見せる。
自陣36ヤードから始まったオフェンスシリーズでは、ここまで押さえこまれていたRB望月のダイブが出始め、7プレーで敵陣9ヤードへと迫る。
このチャンスにQB岡本が右オープンを走りきりTD。15−17となったところで日産はTFPで2ポイントを狙う。このトライはアンバランス体型からWR中澤(剛)にパスが決まり成功。
試合開始以来、常にリードを奪われていた展開であったが、ここで遂に同点に追いついた。
意気上がる日産応援席だったが、直後の富士通のシリーズですぐに冷や水を浴びせられる。
富士通は自陣25ヤードからオフェンス開始。ここまで日産ディフェンスに押さえこまれていたRB森本のランが効果的にゲインを奪い始める。
そこに今日好調のQB中澤がパスを絡め、最後はそのQB中澤からロングパスを受けたSB高橋がゴール左隅に飛びこんでTD。24−17と再びリードを奪うことに成功する。
この時点で第4Qに既に入っていたが、これ以降これまでの点の取り合いが一転、パントの応酬へと変わっていく。
7点をリードする富士通は時間消費を狙いRB森本のランを多用するが、なかなかダウンを更新できない。日産も1stダウンで効果的なゲインを奪えず、再三3rdダウンロングを残す苦しい展開。
このままでは終われない日産は、QB岡本からWR中澤(剛)へのプレーアクションパスでなんとかダウンを更新。これで再びドライブを開始するかと思われた直後、QB岡本がオプションキープで痛恨のファンブル。攻撃の芽を摘み取られてしまう。
しかし、2ミニッツに入って日産は小刻みにタイムアウトをとり、残り1分21秒、自陣32ヤードから再び攻撃権を手にする。
RB田辺のドローで始まったこのシリーズ。WR大橋へのパスなどで敵陣33ヤードまで執念でボールを進めるが、最後はQB岡本が放ったパスを富士通CB杉田がインターセプトし、万事休す。
結局富士通が24−17で日産を下し、2年連続2度目のFINAL6進出を決めた。
富士通は、11月18日に横浜スタジアムでリクルートと対戦することになった。敗れた日産は3勝2敗の3位で2001年のシーズンを終えた。
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