立ち上がりは井内盛栄堂の攻勢。動きの良いＲＢ丹野のランを軸に２シリーズ目であっさりと先制ＴＤを奪う。２Ｑに入ってもＱＢ杉谷からＷＲ朴、竹田らへのパスを交えながら進撃し、ＲＢ丹野が２本目のＴＤを奪う。
　一方的展開すら想像させる序盤戦であったが、ファイニーズが徐々にモメンタムを引き寄せる。ＱＢ荒木のパス、ＱＢ義永のキープとＲＢ木下のランを軸にじっくりとドライブ。２Ｑ終盤に反撃開始のＴＤ。
　このオフェンスの攻勢に、立ち直ったディフェンス陣が井内盛栄堂のオフェンスをぴしゃりと封じ出すと、４ＱにＫ山本のＦＧ。残り時間２分３０秒からのオフェンスをＱＢ荒木からＲＢ池下のＴＤパスで実らせ逆転勝利を収めた。

　この日初めてオフェンスラインでも出場した村田ヘッドコーチも「逆転勝ちは５年ぶりぐらいですか。走り込みでの体力補強の成果です」とさすがに嬉しそう。

　先発ＱＢ桂のパスが決まらずパントを繰り返すアサヒ飲料。反対にＱＢ河井のタイミングパスを効果的にヒットさせる阪急がダウン更新を重ね、アサヒ飲料陣内に攻め寄せる。先制点にこそ結びつかなかったものの、昨年のチャンピオン相手に堂々の戦いぶりであった。
　主軸ベテランメンバーの大量引退で再建色の強いアサヒ飲料がようやく目を覚ましたのは２Ｑに入ってから。
　ＱＢ桂のパス、ＲＢ花房、瀬畑らのランでオフェンスのリズムを作り出し、最後はＷＲ榎へのＴＤパスで先制。次のシリーズもＤＢ山のインターセプトでモメンタムを掴むと、ＲＢ椎木のＴＤラン。ＱＢ桂からＷＲ佐々木へのＴＤなどにつないで、瞬く間に２０点獲得。早々と決着をつけた。

　「ベテラン勢がいないとこんなもの」と藤田ヘッドコーチ。チームにとっても、初体験となる大規模な再建の年は始まったばかりだ。