リーグ戦全勝優勝で、3年連続6回目のFINAL6進出を決めた鹿島ディアーズ。 初戦の学生援護会戦から、常にリードを保ち、鹿島ムードで試合の主導権を握ってきた。またリードを奪っても、オフェンスの手を緩めることなく、まさに「完勝」スタイルを貫いてきた。 |
振り返ってみれば、一試合平均30得点、失点はわずか平均2.6点と圧倒的な強さを見せつけている。 その原動力となったのが、QB鈴木の活躍だ。これまでの勝負強さに加えて、安定感にも定評がでてきた。 1000ヤードパッサーにはわずかに届かなかったものの、パス成功率64%。被インターセプトは、五洋建設パイレーツ戦でDB宮崎に奪われた1つのみと、完璧なクォーターバッキングでオフェンスを牽引してきた。 もちろん、そのQB鈴木にパスを投げさせるべく奮闘するOL陣たちのパスプロテクション能力の高さは、QB鈴木も絶賛する。 毎試合200ヤード近くを獲得するQB鈴木のパスと、RB池場、堀口、曽根らの3人のRBを要所で使い分け、一試合獲得平均350ヤードという数字を残している。 またQB鈴木のクォーターバッキングばかりに注目が集まりがちではあるが、QB笹野という心強い控えのエースもいる。 QB笹野は森ヘッドコーチに「ベンチにおいておくのはもったいない」と言わしめるほどのアスリート。今季は主にリターナーとしての出場機会が多かったが、しばしばQB、SBとしてキープレーを担っているマルチプレーヤーだ。 QB鈴木を中心とした安定感あるゲームプラン中心の鹿島オフェンスであるが、QB笹野投入でオフェンスの幅がひろがったことは、言うまでもないだろう。 |
今季、最も注目されているのは鹿島のディフェンス陣。 一試合平均2.6失点。リーグ失点13点の内訳をみてみると、FGが2回、奪われたTDはわずかに1つ。FINAL進出チームの平均値と比べてみても、その強さはまさにXリーグナンバーワンと言っても過言ではない。 「特に今季加入の新人たちのおかげで、スピード・パワーともに底上げを図ることができた」(森ヘッドコーチ)と、早くもディアーズディフェンスの中心選手となっているのが、DL西川(法政大)、LB永田(関学大)、DB松本(日体大)、生田(関西大)の新人4選手。 DB松本は同じくDB栄とともに「ディフェンスの着火マン」(LB比留間)と言わしめるほど、プレーでも、またムードでもチームの主力として活躍する。 それぞれが大学のトップレベルを経験してきただけに、即戦力として、またチームに新たな刺激を与えたことが、今季の躍進の秘密であることは間違いない。 また今季は初戦からケガによる戦力の喪失がみられないことも特筆すべきであろう。リーグ初戦からほぼ入れ替わりのないメンバーで戦いぬいてこられた。 トレーナーをはじめとしたサポートチームの尽力がうかがえる。 息詰まるディフェンシブゲームとなったアサヒビールシルバースターとのFINAL6。終始オフェンスはゲインを奪うものの、最後のあと一歩が及ばず、2003年シーズンを終えた。 「強いチーム相手の得点力不足が課題」と森ヘッド。今季成長したルーキー達が、その課題を払拭する来季に期待だ。 |
FINISH RESULT 2003 | ||||
9月11日 | ○ | 58- 3 | vs 学生援護会ROCBULL | |
9月21日 | ○ | 9- 0 | vs IBM BigBlue | |
10月 1日 | ○ | 42- 0 | vs オール三菱ライオンズ | |
10月18日 | ○ | 35- 7 | vs 五洋建設パイレーツ | |
11月 4日 | ○ | 10- 3 | vs オービックシーガルズ | |
FINAL6 | 11月16日 | ● | 3- 7 | vs アサヒビールシルバースター |
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