オンワードスカイラークス(EAST1位/以下ON−SKY)が全Qに得点をあげ、アサヒ飲料チャレンジャーズ(WEST2位)を41−17で下し、新チーム結成以来、初の日本社会人選手権決勝「ジャパンエックスボウル」への進出を決めた。
ON−SKYは、第1Qのオフェンスファーストプレーで、「須永攻撃コーディネーターからのプレーコール」(RB加畑)を受けたRB加畑のドロープレーがいきなり炸裂。
QB冨澤からのハンドオフを受け、一気に53ヤードのロングゲイン。敵陣16ヤードまで展開。その後WR神へのパスを挟んで、RB加畑が先制TDを決める。
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第1Q終了間際にも、連続パス成功でゴール前に迫ったQB冨澤が、4thダウンギャンブルから1ヤードを飛び込んでTD。14−0と試合を有利に進める。
追うアサヒ飲料は、第2Q2分10秒。DB大島がW杯でのプレーを彷彿させるパントブロック。こぼれたボールを拾い上げたRB辻野が、そのままエンドゾーンに持ち込んでTD。7−14と反撃の狼煙を上げる。
その直後のアサヒ飲料。まだ万全でない怪我を押して出場のRB中村(多)が、49ヤード独走のロングゲインを奪う。このアサヒ飲料V2戦士の奮起で、一気にON−SKY陣内5ヤードまで迫る。
試合の流れを取り戻す絶好の同点機を迎えたが、ここはON−SKYディフェンス陣が踏ん張る。
アサヒ飲料が、最後の切り札・RB中村(多)に託した4thダウンギャンブルも抑え、追加点を許さなかった。
第2Q10分58秒。ON−SKYはWR井本へのパス、RB加畑のランなどで敵陣に進攻すると、最後は、RB加畑が23ヤードを走りTD。20−7とする。
しかしこのTFPのキックを、アサヒ飲料のDB橋本がブロック。そのボールを辻野、石田とラトラルパスで送り、最後はDB中村(寅)が、エンドゾーンまで走りきりアサヒ飲料が、PAT(ポイント・アフター・タッチダウン)の2点を獲得。
「選手達の気持ちがそのまま出たプレー。長年フットボールをやってきて初めて見た」と、アサヒ飲料の山川監督自身も驚いたという執念のプレーで、得点は9−20。
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しかし後半に入っても、ON−SKYのオフェンスは止まらない。
第3Q7分46秒には、RB加畑のランやQB冨澤のキープなどで前進すると、エンドゾーン右サイドに入り込んだTE安部への2ヤードTDパスが通り、27−9。
第4Qには、左サイドを走るWR渡部への15ヤードTDパスが決まり34−9。ほぼ試合を決定づけた。
アサヒ飲料は、4分13秒にQB桂からWR椋木への33ヤードTDパスが通る。TFPも、QB桂からWR桃澤への2ポイントコンバージョンパスが決まり、17−34と追い上げた。
しかしON−SKYのDB波多野が、試合残り2分36秒にインターセプト。アサヒ飲料から攻撃権を奪い取る。
ここでQB冨澤からWR井本への14ヤードTDパスが決まり、ダメを押した。
パスで3TD、自らのランで1TD、パス獲得192ヤードを演出したON−SKYのQB冨澤は「ランとパスを半々の予定だったが、ランプレーが出たので、ランを中心にした。ファーストプレーのドローは凄かった。この試合でもオフェンスラインが完璧。サックはゼロ。全く相手のプレッシャーを感じなかった」と、今季絶好調のOL陣を褒め上げた。
ON−SKY野田監督も「春から比べてOLが強化されたことは大きい。市瀬コーチが泥んこになって練習してきた成果がでている」と手放しで喜ぶ。
次は、アサヒビールシルバースターとのジャパンエックスボウル。
「リーグ戦では点差がついたが、強いチーム。ディフェンスはどこにも穴がない」と、QB冨澤が言えば、「今年で合併3年目。チームワークがとれてきただけに、新しい名前となったジャパンエックスボウルで是非勝ちたい」と野田監督はキッパリ。
惜しくも準決勝敗退となったアサヒ飲料の山川監督は「完敗です。これがいまの力。でも選手は本当によくやってくれた」と目を真っ赤に腫らせながら、敢闘した選手達を称えた。
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