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立命館大学

 4年ぶり2度目の学生王者に輝いた立命館大学。春の戦いぶりから、優勝争いにすら絡んでこないと予想されていたチームが、試合を経る毎に実力を付けリーグ戦を制覇。甲子園ボウルでも、時間の経過とともに本来の力を出し始め、25ー17で法政大学を破り優勝を飾った。

 4年前QB東野が率いて優勝を果たしたチームとは違い、スーパースターはいない。しかし、チームの「前へ」というまとまりは抜群だ。
 攻撃ではリーグ戦途中からスタートQBを務める川嵜が試合毎に力を付け出した。自身も「エースとしての自覚を持てたのは京大戦で1試合を通じてプレーしたこと」というように、先輩QB大矢を中心に組み立てられてきたチームを、みごとに“川嵜色”に染めた。
 また甲子園ボウルでは、第3ダウンロングの攻撃でプレーアクションからのミドルパスを要所に決めて窮地を救うなど、大車輪の活躍だった。パス力にはまだ若干の成長が必要だが、スクランブル能力や、相手ラッシュをうまく避けるセンスを持ち合わせているだけに、より成長した川嵜をライスボウルでは見ることが出来そうだ。

 甲子園ボウルMVP、ミルズ杯(年間学生最優秀選手)のダブル受賞選手、RB杉山の走りが、どこまで社会人の強力な守備に通用するかも注目してみたい。スピードで抜けていくというより、相手の反応を見て走るランナーだけに、素早い反応を見せるリクルートの守備陣はかえっててこずるかも。
 また、リーグ戦で怪我の杉山の穴を充分すぎるほど埋めたRB菊地(関西学生MVP)も、甲子園で走れなかったうっぷんを晴らしたい。

 これらRB陣が口を揃えて言うのが「OLがしっかりと走る穴を作ってくれている」だ。C和田、G浜田、北村、T武田、泉本が、右へ左へスピーディーに動いてブロックし、大きな穴を開ける。そこにFBの泊の着実なブロックが続き、ランナーは簡単に第一線を越えてしまうのだ。
 WRも高畠、松本ら競い合いに強い選手が揃っているし、TE武田のブロックとパスキャッチもリクルート戦ではキーになりそうだ。

 守備はなんといってもDL宮原(関西学生優秀守備選手)だ。パワーあふれるプレーで中央はもちろん、パスラッシュで相手QBを何度もサックし、プレッシャーをかけまくった。その力がリクルートを相手にどこまで通用するか。同じDLの三輪、小堀、高間館も3年生だけに、充分な経験を積んで来年につなげたい。

 守備に不安があるとしたら、DBだ。リクルートのWR陣がタレント揃いなだけに、DL、LBに比べ攻められやすいということ、守備の要であるDB里見が甲子園ボウルで負傷したため、試合に間に合うかも気がかり。勝負の行方を左右する一番大きなポイントになりそうだ。

 また、あの大舞台で、40ヤードを始めとする4本のFG全てを成功させたK松本の存在もチームにとっては心強いだろう。
 平井監督は「学生は未知のものに挑戦する力を持っているので、我々としてはそれに賭けたい。自信を持って戦って、何かを学んで欲しい」と熱い期待を寄せる。