王者復活へ若いチームでスタートした松下電工インパルスと、スポンサーを得るためにも良いスタートを切りたい湖北ファイニーズが対戦した。
立ち上がりは両チームとも決め手に欠く。松下電工はRB樫野、湖北もRB井場の両エースがランアタックを見せるが、相手守備の厚い壁に阻まれてファーストダウンすら獲得できない。
そんな中、ようやく第1Q終了間際に、湖北は自陣24ヤードからの攻撃で、井場が2回の強力なランを見せ敵陣に攻め込んだ。
流れは完全に湖北にあり、誰もが先制点を奪うと期待した瞬間、QB義永から投じられたパスをWR武田が一旦確保しながらもファンブル。攻守交替となり湖北は先制点のチャンスを逃した。
これに対し松下電工も、前半終了間際に自陣34ヤードからの攻撃でRB安藤、新人RB小林(専修大)が素晴らしい走りを見せ敵陣に入り込む。
ここからパス失敗、味方の反則、そして安藤のランも一歩届かず、4ダウン1となったところでFGを選択。しかしここでまた交替の反則を犯し、ボールを蹴ることなく4ダウン6でパントフォーメーションとなった。
嫌なムードの漂う中、パンターをこの日初めて新人の太田(関学大)が務める。ここで松下電工がトリックプレー。スナップされたボールを右サイドライン際を走っていた上田に太田がパスを試みる。成功こそしなかったものの、焦った湖北の守備がインターフェアの反則を犯して、ゴール前20ヤードからの攻撃権を得た。
この拾いもののチャンスに、まずはQB高橋からWR秋山へのパスが成功。そして最後はエースの樫野が右オープンを走り抜けTD、7−0と先制した。
後半に入ってからも、湖北はなかなか敵陣に入ることができない。一方の松下電工も敵陣に攻め込みながらも、反則での罰退を繰り返したり、パス失敗、また残り1ヤードを奪えないなど「らしくない」攻撃が続く。
松下電工は、第4Qの始めにも、16ヤードのFGをスナップミスで失敗。しかしその直後、湖北の自陣5ヤードからの攻撃の際、新人QB荒木がパスを投じようとエンドゾーン内でターゲットを探しているところを松下電工のLB吉川がサック。セーフティーとなって9−0とリードを広げた。
その次の攻撃でもRB小林のランで攻め込み、最後はRB粳田が右オープンを走り抜けTD。追う湖北も、最後はQB荒木がテンポよくパスを決め敵陣まで攻め込んだが万事休す。16−0で松下電工が初戦をモノにした。
松下電工の村上監督は「選手層が薄く火の車の中で、勝ててホッとしています。チームが若返って選手どころか、スタッフまでも素人のチームですから必死でした」と勝利に安堵の表情を見せる。
一方、湖北の村田ヘッドコーチは自らもLBとしてプレー。32歳の身体にむちを打ったが、勝利を得ることが出来なかった。「攻撃が点を取れませんでした。もう少しドライブしないと守備とのリズムも作れませんからね。守備はそこそこ手応えを感じることができました」と村田ヘッド。
次はアサヒ飲料との対戦だが、この試合の反省を活かすことで接戦に持ち込みたい。
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