松下電工インパルス VS 鹿島ディアーズ

チーム名

1Q

2Q

3Q

4Q

TOTAL

鹿島 ディアーズ

14

14

17

3

48

松下電工 インパルス

0

6

0

6

12


鹿島初優勝!試合を決めたディアーズ守備陣!

 2年目を迎える97年Xリーグを締めくくるファイナルゲームは、ともに堅守で勝ち上がってきた松下電工インパルスと鹿島ディアーズの顔合わせ。日本社会人選手権・東京スーパーボウルは12月17日、東京ドームに3万8500人の大観衆を集めて午後7時にキックオフされた。

 立ち上がりは評判通りの守備陣の前に互いにパントを蹴り合う展開。しかし、ディアーズは3度目のシリーズで先発QB川上がプレーアクションからTE板井、WR関へパスを通し前進。敵陣へと攻め込むと、第1Q11分15秒にエースRB堀口がカウンターから36ヤードを独走して先制のTDを挙げた。

 すぐに追いつきたいインパルスに、ディアーズの鉄壁守備陣が襲いかかる。直後のシリーズの2プレー目、インパルスQB渋谷の投じたクイックパスをブリッツに入ったLB有澤がディフレクト。宙に浮いたボールをS佐山がインターセプトし攻撃権を奪取。最後はRB児玉がエンドゾーンに飛び込み14−0とした。
 さらに14分52秒には、スイープフェイクからのパスをCB竹下がインターセプト。再び好位置で攻撃権を得たディアーズは、クオータータイムを挟んで第2Q1分10秒、RB堀口が8ヤードを走り21−0。また13分22秒には、CB佐藤(紀)がインターセプトから46ヤードをリターンTDするなど、守備陣のビッグプレーが相次ぎ、2Q終了間際にQB渋谷からRB段野への36ヤードのTDパスを決められたものの、28−6とディアーズは圧倒的優勢で前半を折り返した。

 後半に入っても流れは変わらない。K中筋の45ヤードFGで3点を追加したディアーズは、今度はCB竹下が44ヤードのインターセプトリターンTD。さらには、焦りのでたインパルス攻撃陣がリーグ戦中では考えられないスナップミス。これをディアーズがリカバーし、このターンオーバーから得たチャンスを第3Q14分2秒、RB堀口がこの日3つめのTDを挙げ、45−6として駄目を押した。

 インパルスは後半から登場したQB武田がパスで1TDを返すのが精一杯。結局48−12と予想外の大差で、ディアーズが初の社会人王座に輝いた。最優秀選手には13回135ヤード3TDを記録したディアーズのRB堀口、敢闘賞には10回73ヤードを走ったインパルスRB粳田が選ばれた。
 ディアーズは6回のターンオーバーのうち5回をTDに結び付け、ここまでの6試合でわずか16失点のインパルス守備陣からその3倍の48点を奪う完勝。フロント陣が計4回のQBサックを見せれば、DB陣は5本のインターセプトを決める理想的な試合運びだった。7回のパントで284ヤード(1回平均40・6ヤード)を挽回したK中筋の健闘も光る。

 就任1年目のディアーズ・金氏監督は「こんなスコアは予想していなかった」。主将のDE佐藤(卓)も「まさかこんなに楽に勝たせてくれるとは」と思わぬ大勝に拍子抜けといった表情。
 一方、敗れたインパルス・川口監督は「完全に力負けや。僕が甘かったと云うことですわ」と目を真っ赤に腫らして、足早にロッカールームへと消えた。


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