JAPAN X BOWL(第23回アメリカンフットボール日本社会人選手権) 富士通フロンティアーズ(以下富士通)は2年ぶり3回目の出場。 ここ数年、強豪として定着している両チームだが、社会人での優勝からは縁が遠い。 富士通は勝利すれば初優勝。鹿島は勝利すれば、1997年以来12年ぶり2回目の優勝。 近年の両チームの対戦成績 昨年の対戦は、ファイナル6の1回戦、鹿島21-19富士通 今年の対戦は、ファーストステージ5節、富士通22-20鹿島 春も含めると、2008年パールボウル、鹿島27-14富士通 ヘッドコーチ(HC)は、富士通・藤田智、鹿島・森清之両HC共に京都大学出身。 日本代表チームでも両者ともコーチを務めており、また両チームの戦略・戦術面の対決も興味深い。 また、鹿島の伊藤吾朗オフェンスコーディネーターは、2006年まで富士通のコーチを務めていた経緯もある。 オフェンスの主戦QBは、富士通は吉田(日本大)・出原(関西学院大)、鹿島は尾崎(関西学院大)・山城(日本大)。 それぞれがスタイルも違い、世代も異なるが、大学アメフトの強豪校、日本大・関西学院大OBであるというのは興味深い。 富士通のオフェンスは、ラン・パス共にバランスがとれておりタレントも豊富。 RBは、スピードのある進士(東海大)・金(日本大)、ベテラン森本(関西大)と揃っている。 WR陣も多彩で、秋山(関西学院大)・米山(日本体育大)・松林(日本大)らロングターゲットになりうる能力の高い選手に加え、ブラッド ブレナン(アリゾナ大)が勝負強いキャッチングを見せる。攻撃を支えるOLも強力で、189cm132kgの巨漢、山本(大阪学院大)のブロッキングは圧巻。 鹿島のオフェンスは、強力なOLのユニットが繰り出すランプレーが中心。村井(早稲田大)・倉持(筑波大)・井澤(日本体育大)らのブロックに守られ、RB丸田(法政大)・佐藤(東北大)・曽根(筑波大)がゲインを重ねていく。 パスは最近では、短い距離のパスが中心となっているが、WRの前田(立命館大)・小嶋(日本大)・中川(龍谷大)・永川(関西大)と、捕球後のランを期待できる選手が多数揃っている。 富士通のディフェンスは、若くてスピードのある選手が揃っている。DLではキャプテン伊藤(日本体育大)・李(中央大)・平井(立命館大)らが相手オフェンスにプレッシャーをかける。LB陣では、青木(近畿大)や成長著しい木下(立命館大)が注目。DBとなると、今井・福島・安田(全て立命館大)・植木(大阪産業大)・藤田(日本体育大)・樋田(法政大)と列挙すればキリがないほど、選手の個人能力は高く、層は厚い。 鹿島のディフェンスは、ベテラン・中堅・新人と各世代がうまく融合している。DLは西川(法政大)を中心に、佐倉(中央大)・鈴木(日本大)。LBは、キャプテン牧内(新潟大)・比留間(東海大)・岡橋(関西学院大)が積極的なブリッツを見せる。これら前列のプレッシャーを利用して、佐野(日本大)・加藤(金沢大)・栄(専修大)・山本(甲南大)らのDB陣が、勝負どころで相手パスをインターセプトしている。 両チームともに、キッキングチームも磐石。富士通のKは西村(日本体育大)。40ヤード超のフィールドゴールも成功率高く、相手チームの脅威となっている。対する鹿島のKは鹿島(専修大)。こちらは、富士通・西村ほどの長距離砲ではないが堅実。成功率は高い。 Pは、富士通ではQBの吉田が兼任。第4ダウンのシチュエーションでは、ギャンブルなのかパントなのか見分けがつきにくい。鹿島の西口(関西大)はパントのコントロールがうまく、チームの窮地を救ってきた。カバーチームやリターンチームの精度では、若干、鹿島が上回るか。鹿島のリターナーのWR前田・中川はロングゲインを連発している。彼らのリードブロッカーとなる選手たちもよく訓練されており、好ブロックを見せる。パントやフィールドゴールブロックの戦術も巧みな鹿島だけに、キッキングゲームでは富士通も警戒が必要だろう。 鹿島ディアーズ vs 富士通フロンティアーズ 近年対戦戦績
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