IFAFアメリカンフットボールワールドカップ2003決勝戦は、現地時間7月12日18時(日本時間13日午前1時)より、ドイツ・ハーナウのハーバート・ドローゼ・スタジアムで行われ、日本代表とメキシコ代表が対戦。2大会連続の決勝での顔合わせとなった。
|
「予想以上にやられたなというのが本音。負けないと言う自信はあったけど、フットボールはホントに奥が深い。今回はいつもXリーグで、もまれているメンバーだからこそ対応していけたと思う」(阿部監督)。
立ち上がり早々、メキシコ代表QBアルタミラノの40ヤードロングパスが決まり、一気に日本陣内7ヤードに攻め込むと、RBバレラがこれをねじ込んでTD。メキシコ代表が先制する。
日本代表も1Q終了間際に、PR清水の好リターンで得たゴール前26ヤードのチャンスに、RB森本のランでダウンを更新すると、QB冨澤からWR板井へ9ヤードTDパスがヒット。
「板井さんとはようやく“あうん”の呼吸が出来てきた」とQB冨澤。7−7の同点とする。
さらに日本代表はメキシコ代表QBアルタミラノが自陣30ヤード付近から投げたパスをLB玉井がインターセプト。
「個人的な能力がめちゃくちゃ高い相手。得点は取られて当たり前、ぐらいの気持ちで集中してました」とLB玉井。そのままエンドゾーンに持ち込んでTDを奪い14−7。
前半終了間際にも、K小山が33ヤードFGを成功させ、17−7で折り返した。
|
後半開始早々、交替出場したメキシコ代表QBサモラのパス、RBベルトランのランが日本代表ディフェンス陣を切り裂く。
後半開始のファーストシリーズこそエンドゾーン内でDB玉ノ井がTDパスをインターセプトして事なきを得たものの、続いてのシリーズでは、4連続パス成功で、瞬く間にゴール前6ヤードへと押し寄せる。
最後はWRウォンにTDパスが通り、17−14と追い上げる。
「なんとか流れを取り戻したかった」(RB波武名)。
ここでQB冨澤からボールを受け取ったRB波武名(決勝戦MVP受賞)が、メキシコ代表ディフェンスのタックルを次々と交わし、59ヤード独走のTDラン。
「今日は波武名につきるよ」(阿部監督)。これで24−14。一時はメキシコ代表に傾きかけたモメンタムを一気に引き戻すビッグプレーが飛び出した。
さらに第4Q。4thダウンFGトライの体勢から、ホルダーに入った稲垣が、スナップされたボールをそのまま持ってエンドゾーンに走り込みTD。31−14とし、試合の行方をほぼ決定づけた。
|
だが日本代表の猛攻は止まらない。このあとまさかのオンサイドキックを成功させ攻撃権を確保。
ここからライン勝負のパワープレーで、じわじわと時間を消費しながら、K小山が30ヤードのFGにつなげて追加点を奪い、ファイナルスコア34−14で日本代表が完全勝利。
ついに悲願の大会2連覇を果たした。
「この日のために半年かけて準備してきたんだから。大きなお土産を持って帰ることが出来て本当に良かったよ」と、さすがに肩の荷が下りたのか、JAPAN指揮官は最高の笑顔で語った。
メキシコ代表のエドムント・レイエスヘッドコーチも「あなた方コーチ陣の仕事が今日の結果となって現れた。おめでとう」と惜しみない称賛の言葉を送った。
|
|